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ガラスの蓋が開けられて、兄が王子の手を取り注射針が慎重に差し込まれた。
「八乙女ヒカル博士はいくつもの新薬を開発しノーベル賞も殿堂入りですが…効き目は…どうでしょう…あっ、今、少し…王子の指が…動きました！まぶたが…、皆さん！今、目覚めようとしています！眠りの王子の瞳は何色なんでしょうか？」
静かに開いた王子の瞳と兄の瞳がかちりと合わさった瞬間、いつも青白い兄の頬にさっと赤みがさしたように見えた。
それからの出来事はまるでスローモーションのようだった。
王子の左腕がゆっくりと、でも強く兄を引き寄せた、重なり合う唇、「待っていた」と聞こえた低い声は俺の空耳だったのだろうか？
そうして…
皆の目の前で兄と王子は煙のように消えてしまったのだ。それはまるでアラジンの魔法のようで、居合わせた誰もが呆然とするばかりだった。
手がかりは何もなく、空っぽになった空間に残ったのは甘い甘い金木犀の香りだけだった。その花言葉は、「気高い人」「謙虚」「誘惑」 そして「初恋」
―――
俺は1年前と同じように澄みわたった空を見上げ、乾いた空気にふわりと漂う甘い香りを胸に吸い込んだ。
あれからふたりの姿を見た者はなく、口にするものもない。でも、俺だけは金木犀の香りに出会うたび、きっと愛する兄と眠りの王子の事を思い出すだろう。
※fin※
あ、一度もヤブさんの名前が出て来なかった！でも「眠りの王子」はヤブさんです。
蛇足な説明↓
大昔、この国で病気が流行った。
王子(ヤブ)は、幼なじみで恋人の医者(ヒカル)に薬を作ってくれと頼んだ。
その頃の医学では無理、でも、八乙女一族は代々この研究を引き継いでいくと誓う。
王子はヒカルに自分を眠らせてもらい、薬ができた未来のヒカルを迎えに行くと約束する…という心の中の裏設定…これでもなんか書けそうな…
ってわけで、ヒカルは王子と一緒に過去に旅立って、みんなの病気を治して幸せに暮らしています。
20/10
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リョウスケくんの冬休み〈ybhk←ym〉→←眠りの王子〈ybhk←yt〉
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Ｑ(プロフ) - みるみるみるきーさん» 早朝から落書きみたいな話にコメントを頂きありがとうございます！いつも光くんが12時前には帰ってしまうので脈がないのかもと悩んで告白できなかった薮くんという妄想でした…しかし、今、私は翌朝のふたりのようにすごく眠いです (2020年11月24日 9時) (
レス) id: a1a90f72f9 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - きみはっ！しんでれらっがぁーっ！と、歌って踊る彼等が見れるのは、もう明日！！ひかママのお部屋の位置に感謝。お持ち帰り出来たもんね！美味しく食べてねえーー！ (2020年11月24日 4時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
Ｑ(プロフ) - みる様、いらっしゃいませ。牛乳を全部飲んでなければ美味しいカルボナーラが作れたはずです、胸焼けするくらいのやつが…、ホントにご馳走さまってやつです(^^) (2020年11月14日 16時) (レス) id: a1a90f72f9 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - あまーーーっい！！いつもよりお高めの厚切りベーコンで作るカルボナーラはタップリの愛情も入るから、ふたりで食べるから、より一層美味しいでしょう。はぁー幸せね。 (2020年11月14日 9時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
Ｑ(プロフ) - みるさま、いらっしゃいませ~、なんか伊野尾さんには屈託をかかえさせてしまうのですが、切ないと言って頂きありがとうございます。ホッとしました。たかっくんはちょっぴり言葉足らず…ホントはサプライズで指輪を渡す予定だったのよ~ (2020年11月8日 17時) (レス) id: a1a90f72f9 (このIDを非表示/違反報告)
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