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やっとの思いで、
海の底までやってきて
サンゴに囲まれた研究所を探し
深海アンコウの道案内で
長老に拝謁を許された坊やは
思いの丈を訴えました。
「恋だって？
こりゃあまた、面倒なものに
捕まったもんだねえ
この薬はね、うっかり使うと、
やれ、海の魔女が薬と引き換えに
声を奪っただの、海の泡になるだの
変な脚色をして布留されるのが迷惑でねえ
‥やれやれ…
もう大丈夫なんだよ、声を失うって副作用は
改善されているし、痛みもない。
ただ、ひとつだけ条件があるよ、
お前にとってそのニンゲンが
特別であるように、
同じだけ、そのニンゲンにとっても
お前が特別でないと効き目はない、
そういうのはね、どんなに研究したって
理屈じゃあ解明できんのだ。」
おじいさんは少し顔をしかめながらも
坊やの口に白い錠剤をひとつ、
ポイっとほうりこんでくれました。
トビウオが姿を見せなくなった海で
王子様はボートのふちに頬をつけて
ぼんやりと海を見ていました。
お付きの者は坊やとは逆で
魚に恋をしているのか、
なにやらでかい荷物を背中に背負って
海にどぶんどぶんと飛び込んでいくのです。
「ヤブくん、最近、トビウオ来ないね。
あれ、うちのショップの売りだったんだけどなあ」
「あ？お前がSNSで発信したのが
余計だったんじゃね？」
「せっかくお客さんが増え始めてたのに
ゼロに逆戻りだよ」
「‥‥しゃあねえなあ」
「なんだよ、ヤブくん、他人事みたいにさ」
「だって俺、別にダイビングが
好きなわけじゃないもん
お前がやりたかったんだろ、
ダイビングショップ」
「まあ、ヤブくんが銀行を辞めて
うちのオーナーになるって言ってくれた時は
びっくりしたけどね…
ああ、あのトビウオくん、また、来ないかなあ
話題性抜群だったんだよねえ」
「ヒレがピカピカ光って可愛かったよなあ、
俺、ヒカルって名前つけてたんだ…」
何日かが過ぎた
満月の夜
月の光に照らされた浜辺に
白い裸体がぽっかり
浮かび上がりました。
「ちょっと、ヤブくん
あれ…人間じゃない？
えっ、わわ、生きてるよっ」
慌てたように叫ぶユウヤに
うっすらと無精ひげが生えた王子様は
その青年にゆっくりと近づくと
両わきを確認し、薄っすら残る
胸ヒレの跡にキスをしました。
「なんだ、遅かったじゃん、ヒカル」
ふたりはそれからずっと
幸せに暮らしたということです。
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※その後、ショップに伊野尾という常連客が現れるに違いない
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Drifter� �yb←hk〉 →←波の上で会いましょう 〈ybhk〉
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Ｑ(プロフ) - しろくまさん» ええ、ええ、未遂だったのですよ…全く。濃厚なヤツをキメタと思っていたのですが‥全く！(=_=)愛ゆえに慎重になっているのです、きっと！ (2020年2月28日 8時) (
レス) id: 606e7e57bd (このIDを非表示/違反報告)
Ｑ(プロフ) - ちちちさん» めちゃめちゃ続きを気にしていただいてありがとうございます！ちょっとお時間がかかっていて申し訳ないです〜、翻弄されるちょっとヘタレな薮くんは私も大々好物なのです！(*´▽｀*) (2020年2月28日 8時) (レス) id: 606e7e57bd (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - えええ( ﾟДﾟ)Go Fighter未遂だったんですか…なんてこと…。人生経験があるだけにやたらめったらとは手を出さない、やぶさまの純情にキュンキュンです。そしてひかるくんにも何やら秘密が？？ (2020年2月19日 21時) (レス) id: 8dcb6e2f50 (このIDを非表示/違反報告)
ちちち(プロフ) - めちゃめちゃ続きが気になります…翻弄される薮くん、可愛く大好物です！ (2020年2月18日 7時) (レス) id: b5788e234f (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - まさかの新宿南口のふたり。素晴らしくギンギンにＧｏ Fighterできたことでございましょう。これこそホントに「うまくハマった」ってやつ…失礼。 (2020年2月3日 21時) (レス) id: 8dcb6e2f50 (このIDを非表示/違反報告)
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