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「あーあ…ほんっとあの人は何がしてえんだろ」
「俺、関係してるのかなあ…だったらやだなぁ」
「…呑気か」
「酷い、呑気じゃないよ」

俺が臣と別れる気がないのが気にくわない?
そんなんじゃない。
あの人は臣を縛るほど困ってない。
臣じゃなきゃだめだったわけじゃない。

ーじゃあ、何故このタイミングで俺たちの前を去る?

「…悪い人じゃ、ねぇんだけどな」
「え?」
「敬浩さん。散々酷い扱いも受けたけど、最初は悪い人じゃなかったなって」

悪い人じゃ、なかった。ー『なかった』?
なんだろう、繋がりそうで繋がらない。
解けそうで解けない。そんな感じ。

「りゅーじさーーーーーん!!!!」
「おーみーさーーーーーん!!!!」

遠くから叫びながらバイクで岩ちゃんが到着。
…バイク?え、バイク?後輩なのにバイク?
という俺の疑問は岩ちゃんの眩しい笑顔で誤魔化しておく。またのお話。

直人さんからの電話を切った後、岩ちゃんにも連絡して情報提供を求めていた。
『頑張りますよお!』とやる気満々で電話を切ったのだが、こんなに早く来るとは思わなかった。

「わんちゃ…じゃなくて岩ちゃん」
「わんっ!じゃなくて!!」
「敬浩さんの、情報ありましたよ!」

良いノリツッコミを披露してくれた岩ちゃんは自分のスマホを取り出し、地図を開いた。
俺たちの現在地から離れた海沿いに、ピンが刺さっている。

「ここに、います」
「敬浩さん、ここでひとりでいます」
「チーム総出で探したから間違いないです!今も健二郎さんとかが見張ってるので移動してません!」

そこは、啓司さんから教えてもらった場所と大体一致していた。

「家にも行ったんですけど居なくて。近所の人に聞いたら昨日引越し屋さん来てて色々出してたって言ってました」
「岩ちゃんありがとう〜!助かった!」
「…忠犬」
「わんっ!…そんな事は良いんです!早く行ってくださいよ!」

しかし、かなり距離はある。
今更ながらバイクの方が…と思いかけた俺の心を読めたのかはわからない。

「貸します!!」
「あざーす岩ちゃん」
「あ、ありがとう…」

と、元気よく差し出してくれたバイクには大事なものがなかった。

「メット」
「あ、はい」
「…おみさんガチトーン怖い」
「隆二が乗るなら当たり前だろ」

受け取ったメットを付けて臣の体に腕を回す。

「お、満タンじゃん」
「もちろんじゃないですか〜!」

さあ行こう。

ー全ての『理由』を知るために。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 臣隆 , BL   
作品ジャンル:恋愛
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春山の小春(プロフ) - reira1227さん» ありがとうございます!また次回作でもよろしくおねがいします。 (2019年6月25日 8時) (レス) id: 3714b32197 (このIDを非表示/違反報告)
reira1227(プロフ) - 雨宮兄弟大好きなので楽しみにしています! (2019年6月23日 17時) (レス) id: c7865bc4a4 (このIDを非表示/違反報告)
春山の小春(プロフ) - 麗華さん» 返信出来ず申し訳ありませんでした。なんとかラストまで書き終えることができました。次回作でもどうぞよろしくお願いします! (2019年6月20日 7時) (レス) id: 24ef585744 (このIDを非表示/違反報告)
麗華 - 毎日めっちゃ楽しみに見てます!ラストまで頑張ってください!! (2019年5月27日 22時) (レス) id: 860c6ebc86 (このIDを非表示/違反報告)
春山の小春(プロフ) - シュニーさん» ありがとうございます!ラストシーンまで駆け足で作成中ですので是非最後までよろしくお願いします。 (2019年3月21日 12時) (レス) id: 3714b32197 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春山の小春 | 作成日時:2017年9月15日 20時

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