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「啓司さんこんにちは!」
「お、岩ちゃんまた来たの?」
「また、ってなんですか〜!泣いちゃいますっ!」
岩ちゃんが元気よく入っていったお洒落なお店では啓司さんが今まさに厨房に入っていくところだった。
お客さんはまだ疎らで、これからのお昼時に入ってくるんだろう。
「啓司さん、俺が啓司さんの気まぐれパスタで…隆二さんがハンバーグプレート大盛りで、臣さんがオムライス!」
「うん、今日の気まぐれパスタな?!俺の気まぐれじゃねえよ?」
「え、じゃあ誰の気まぐれなんですか?」
正直に目をくりくりと輝かせて可愛く上目遣い。
岩ちゃんはいつも可愛い。
言ってることは結構毒混じってるけど…。
そんなやりとりの後厨房にオーダーを入れた啓司さんは、俺を見て何かを思い出したように目を一瞬開いた。
「あ!そうだ、隆二に…ってかお前らに言っとかないとと思ってたんだ」
「あいつ、毎週土日しかこないから」
「安心して学校戻れよ」
「俺みたいに留年すっぞ〜?」
あいつ、とは言わなくてもわかる。
平日の昼間から外出してる(直人さん以外の)俺たちのことも心配しながら啓司さんは笑った。
ー啓司さん、留年したんだ…。
俺も気になったけれど、それよりもっと深く掘り下げたそうな岩ちゃんを今さっき入って来たばかりの直人さんが止め、パスタをオーダーする。
「余計な事に首突っ込むなお前は」
「んんんん!!なおとさんくるしい〜!!」
それからは4人で仲良く(?)ご飯を食べて直人さんは仕事に、俺と臣は学校、岩ちゃんはJ.S.Bのみんなと遊ぶみたいでそれぞれ別れた。
「久しぶりに俺授業受けようかなあ」
「ん?いんじゃない、たまには」
「臣は?」
「馬鹿言うな」
やっぱり臣と一緒にいるのが一番安心する。
それを理解したと同時。
失ってはいけない。
彼だけは何があっても守らなければならない。
「臣」
「大好きだよ」
臣は突然の俺の告白にびっくりしたように目を少し開いたけど、すぐに笑った。
「知ってるよ」
第12章 『真実の冬』
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春山の小春(プロフ) - reira1227さん» ありがとうございます!また次回作でもよろしくおねがいします。 (2019年6月25日 8時) (レス) id: 3714b32197 (このIDを非表示/違反報告)
reira1227(プロフ) - 雨宮兄弟大好きなので楽しみにしています! (2019年6月23日 17時) (レス) id: c7865bc4a4 (このIDを非表示/違反報告)
春山の小春(プロフ) - 麗華さん» 返信出来ず申し訳ありませんでした。なんとかラストまで書き終えることができました。次回作でもどうぞよろしくお願いします! (2019年6月20日 7時) (レス) id: 24ef585744 (このIDを非表示/違反報告)
麗華 - 毎日めっちゃ楽しみに見てます!ラストまで頑張ってください!! (2019年5月27日 22時) (レス) id: 860c6ebc86 (このIDを非表示/違反報告)
春山の小春(プロフ) - シュニーさん» ありがとうございます!ラストシーンまで駆け足で作成中ですので是非最後までよろしくお願いします。 (2019年3月21日 12時) (レス) id: 3714b32197 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春山の小春 | 作成日時:2017年9月15日 20時