誰も知らない僕らの居場所。3

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ーだから、大丈夫です。
そう言おうとしたけど、色んなことを思い出して言えなかった。
涙が溢れて止まらなかった。

「俺が言っていいのかわかんねえけど…」

直人さんは、俺の頭をわしゃわしゃ撫でた。
岩ちゃんにする時よりは、丁寧だった。

「…頑張ったな」
「学生のお前らに、背負わせるもんじゃねえよな」

「俺がちゃんと、これからは見てるから」
「お前らは安心して、一緒に居ればいい」

直人さんの言葉はありのまま俺の中に染み込んで、じんわりと心をあったかくしてくれた。
臣とは違う安心感に微笑むと、向こうから岩ちゃんがバタバタと走って来た。

「いやぁぁぁあああぁぁぁ！！助けてください〜！！」
「岩ちゃん逃げんな〜ほら臣さんだよ〜」
「怖いぃぃぃぃ！！」

直人さんは呆れながら岩ちゃんを抱きとめて、臣の前に差し出す。
助けるかと思いきやまさかの恋人からの裏切りに岩ちゃんはじたばたしながら臣からの制裁を受けていた。

「やーめーてー！！こちょこちょしないでくださいー！！」
「やかましい罰だ罰。直人さんそのまま固定しててください」
「もう好きにしろ、こいつ」
「岩ちゃん頑張れ〜」

こんな風に、またはしゃいでいれるなんて思ってなかった。
敬浩さんの側にいた時は特に考えないようにしてた。

だって、覚悟を決めてたから。
覚悟っていうか、諦めに近い何か。
だから本当に良かった。

あとは、理由を知るだけ。
敬浩さんが、他人の愛を片っ端から壊していくのはきっと理由があるから。
きっと簡単にはわからない。
だってあんなに笑いながら壊してきた。

あの笑顔の下に、何があったんだろう。
それを知るにはきっと、まだ早いかもしれないけど。

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