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「…謝ってもらっても、困るんすけど」

低く呟いた声に、目の前の小さめカップルが同時に頭をあげた。
そして、臣の萌え袖に隠れた微笑みを見る。

「…いや、ほんと困る…別に岩ちゃんが悪いわけじゃないしもうほとんど解決したし」

「あの臣さん…俺本気で言ってるんですけど…」
「だから、もういいって」

「岩ちゃんには、助けてもらったから」
「あのままだったら、いつか俺死んでたかもしれないから」

だから。
そう言うと臣は、ちょっと悪戯っぽく笑って2人に1回ずつデコピンした。

「いたっ!」
「痛え!」
「臣?!」

順番に岩ちゃん、直人さん、俺。
三者三様のコメントを臣にした。

「これで、許してあげます。俺は優しいので」

ぽかーんとしてる岩ちゃんと直人さん。
そして俺。
臣はそんな俺に向き合って、頭をぽんぽんと撫でた。ん?撫でられた?

「え、なんで今…」
「なんとなく」

「隆二にも、嫌な思いたくさんさせちゃったから」
「お疲れ様、って感じで」

嫌な思い、というのが具体的に何かっていうのはわざわざ聞かない。
同じ痛みは2度とは味わいたくない。

「…うん」
「で、どうする?何してもらう」
「え、許したんじゃ…」

臣は悪い笑顔を萌え袖の下に隠しながら岩ちゃんと直人さんを交互に見て行く。
そんな姿を正面から見てる岩ちゃんは引きつった笑顔に表情を変える。

「あ、あああのおみさん、俺」
「なあに?岩ちゃん。そんな引きつった顔してどうしたの?」

ー臣のキャラが…っ!

何かはわからないけどこれからきっと岩ちゃんには何らかの仕打ちが待っている。

でもまぁ、臣なら任せても大丈夫だろう。

「えっ、ちょっと隆二さん?!俺のこと助けてくれないんですか?!」
「りゅうじさぁ〜ん!!」

後ろに岩ちゃんの嘆く声を感じながら海沿いを歩くと、もう海風が冷たくて痛かった。

あんなに辛かったのに、この場所はなにも変わらなかった。
俺がどんなに変わっても、みんながいるこの場所は変わらない。
何があっても。

「隆二」
「ごめんな、本当に」

優しく、でも弱々しく後ろで呟いた直人さんの声に振り向く。
まっすぐ俺を見る直人さんの目に嘘はない。
疑ってるわけじゃなかったけど、本当にまっすぐで。
笑っちゃうくらい、いい人なんだって思い知らされる。

「直人さん、大丈夫ですよ」
「もう臣から離れたりしません」
「敬浩さんにも気をつけます」

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 臣隆 , BL   
作品ジャンル:恋愛
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春山の小春(プロフ) - reira1227さん» ありがとうございます!また次回作でもよろしくおねがいします。 (2019年6月25日 8時) (レス) id: 3714b32197 (このIDを非表示/違反報告)
reira1227(プロフ) - 雨宮兄弟大好きなので楽しみにしています! (2019年6月23日 17時) (レス) id: c7865bc4a4 (このIDを非表示/違反報告)
春山の小春(プロフ) - 麗華さん» 返信出来ず申し訳ありませんでした。なんとかラストまで書き終えることができました。次回作でもどうぞよろしくお願いします! (2019年6月20日 7時) (レス) id: 24ef585744 (このIDを非表示/違反報告)
麗華 - 毎日めっちゃ楽しみに見てます!ラストまで頑張ってください!! (2019年5月27日 22時) (レス) id: 860c6ebc86 (このIDを非表示/違反報告)
春山の小春(プロフ) - シュニーさん» ありがとうございます!ラストシーンまで駆け足で作成中ですので是非最後までよろしくお願いします。 (2019年3月21日 12時) (レス) id: 3714b32197 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春山の小春 | 作成日時:2017年9月15日 20時

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