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「彼女出来たって言ってよ」
そういうことでしょ。
そういうことなんでしょ?
どうせ俺の事わかってるんでしょ?
何と無く好かれてるって見当ついたから言えないんでしょ?
臣はそれを聞いて、俺に背中を向けた。
ービンゴ。
泣くなよ、俺。
俺が言ったんだから。
「…まぁ、まだだけど」
「じゃ、俺もう邪魔だよね…行くから。連れ込んでいいよ」
ーまだ。まだだよ、俺。
泣いたら臣にバレる。
何勝手に自分で自分の首絞めてるんだろう。
でも、臣が好きになった人だ。
好きになった人には、幸せになってもらいたい。
「待てって!隆二!」
「離して!」
「彼女じゃねぇって!」
「でも好きな相手なら一緒にいればいいじゃん!」
右手首が痛い。
そんなに握らなくてもいいよ。
痛みでさえ、臣の気配を感じてしまうから。
「本当に違うんだって!」
「認めただろ臣!まだ彼女じゃないって!それってつまり好きってことだろ!?」
「…っダメなんだよ!相手は俺の事恋愛対象だなんて思ってない!思ってても言っちゃいけない!」
ーねぇ、わかって言ってるの?
ー俺いつもそう思ってるよ。
臣の強い力に引かれ、後ろに倒れそうになる。
受け止めてくれたのは、引っ張った臣の体。
「絶対、彼女じゃないから…っ!」
臣がそんなに切ない顔をする理由がわからなかった。
俺が泣きそうになってるのがわかってるの?
俺がいなくなって彼女連れ込むんじゃないの?
彼女じゃないってなんでそんなに必死に弁解するの?
「…ほん、とに?」
「本当」
「じゃあ、俺」
「来て、隆二」
臣はそう言って、俺の体を強く抱きしめた。
「…嫌でも、来て。俺餓死しちゃうよ」
「嫌じゃないよ、臣…」
ー好きだよ、臣。
だから臣の声に逆らえない。
ある意味俺は、臣の言うことならなんでも聞いてしまう。
臣、気付いてる?
わかってる?
俺もう引き返せない所まで来てるんだよ。
ねぇ。
そんなことを改めて実感した。
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春山さつき(プロフ) - おりうさん» めちゃめちゃかっこいいです。 (2017年6月1日 8時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)
おりう - 春山、格好いいですよね(о´∀`о) (2017年5月31日 22時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)
春山さつき(プロフ) - おりうさん» ありがとうございます。頑張ります。 (2017年5月31日 9時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)
おりう - この先の展開が楽しみです(^w^)頑張って下さい! (2017年5月30日 21時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)
春山さつき(プロフ) - おりうさん» 全くもって同意です。共感してもらえると嬉しいです。 (2017年5月29日 17時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春山さつき | 作成日時:2017年5月15日 11時