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「また登坂か」
「何であんな生徒が…」

そんな先生達の声が聞こえたのは、2人分弁当が日課になって数日後の、移動教室の時。
登坂、という言葉に敏感に反応してしまう程、心に留めてしまっている相手の事を先生達が嫌そうに話している。

「あの、登坂って…?」

知らないふりをしてさりげなく聞いてみると。

「今市は知らなくてもいい相手だ」
「早く教室に入りなさい」

…ここまで露骨だと俺も傷付く。
ーそんな風に登坂くんの事、簡単に割り切らないでよ。
ー先生何も知らないだろ、登坂くんの事!

「でも、名前聞いたことあります」

そう俺が言うと、仕方ないと言わんばかりにため息をつき先生達は、登坂くんの事を話してくれた。

「登坂広臣、A組だ。ただ関わるなよ。お前まで悪影響を受けることになったら困るんだ」
「そして登坂の悪い所はな…あいつは頭がいいんだ。定期試験はいつも1位、全国模試も2年連続1位だ」

ーあぁ、登坂くんは俺とは違う世界の人なんだ。

それをまざまざと見せつけられた気がして、その日の昼は屋上に行けなかった。

それでも馬鹿みたいに放課後、登坂くんを期待して屋上に行ってしまう自分が、嫌だった。

「登坂くん、いる…?」

帰ってこない返事に、気付かされてしまった。

ーもう引き返せない。

俺を一目で射抜いたあの瞳。
俺の耳にはっきり残ったあの声。
俺の弁当を食べる時の幼くなる姿。
俺とは違う頭の良さ。
俺が求めてしまう程綺麗な顔。
そして唯一俺と同じ、ネクタイの締め方。

何もかも、俺より優れていて。
だからこそ、憧れよりもっと深い感情を抱いてしまう。

ー登坂くん。

絶対、直接伝えたりしないから。
せめて心の中だけで、想わせて。

ー君が好きです。

そう屋上に言い残し、弁当を置いて帰った。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 臣隆 , BL   
作品ジャンル:恋愛
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春山さつき(プロフ) - おりうさん» めちゃめちゃかっこいいです。 (2017年6月1日 8時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)
おりう - 春山、格好いいですよね(о´∀`о) (2017年5月31日 22時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)
春山さつき(プロフ) - おりうさん» ありがとうございます。頑張ります。 (2017年5月31日 9時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)
おりう - この先の展開が楽しみです(^w^)頑張って下さい! (2017年5月30日 21時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)
春山さつき(プロフ) - おりうさん» 全くもって同意です。共感してもらえると嬉しいです。 (2017年5月29日 17時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春山さつき | 作成日時:2017年5月15日 11時

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