誰も知らない僕らの居場所。2

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2.
そんな出来事の3日後。

「臣…、」
「言うな、隆二」

久しぶりのJ.S.Bの集まり。
いつもみたいに、岩ちゃんと直人さんのところに行った。
そこで、なんとまぁとんでもない光景を見た。

「なおとさーん♡」
「うっせぇ！離れろ！暑い！」

「なおとさんっ、俺なおとさん大好きです」
「ぁあ？！しつこいって言ってんだろ！何回言うんだよ！」
「だって直人さん、全然言ってくれないから俺が言います！」

目の前でラブラブする、わんこと飼い主…じゃなくて岩ちゃんと直人さん。
一方的に大好きコールを送る岩ちゃんをたしなめる直人さんも、満更でもなさそう。

なんだかんだ、通じ合ってるみたいだ。

「ね、臣」
「俺の愛情表現なんて、可愛いもんでしょ」

臣はいつも俺の愛情表現を充分だと言ってる。伝わってるよ、って。

「…だな」
「ふふ、臣やっとわかった」
「じゃあさ、」

臣がそう言いながら、そっと俺の手に自分の手を触れさせた。
左手から、もどかしい感覚が身体中に伝わってくる。

「もっとしてくれんの？」
「愛情表現」

艶っぽく囁いた、臣のこの声は本当にずるい。
俺の体を熱くさせるのに、十分だった。
俺を煽るのにも、十分だった。

俺は隣の臣の正面に向き直った。
至近距離、まだうっすらと触れる手。
そして、何故かわからないけど岩ちゃん達以外、近くに誰もいない。

こんな美味しいシチュエーション、ある？

「…今のは臣が悪い」
「なにが、」

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