誰も知らない僕らの居場所。2

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やめて。
聞かないで。
俺もうYESしか言えないの。
ずるいなぁ。

「襲うぞって意味、わかってる？」

真剣な顔でそんなこと言うから。
臣のそういうところ、好きだけど嫌い。
俺に選択肢を無くしてしまうから。
もちろん、選ぶ余地なんかないんだけれど。

「…わかってる、よ」
「ん…ならいいや」

ぽんぽん、と頭に置かれた手が暖かかった。
いつもは少し冷たいのに。
そして少し震えていたのは気のせいじゃない。

「…まだそんなにがっついたりしないから」
「…ひゃ…っ！」

耳元で言う必要、あった？
つい離れて耳を押さえてしまった。
臣は口角を上げて楽しそうにそんな俺を見ている。

「なにそれ、かわいい」
「かわいくないっ！」

臣は俺をかわいい、とよく言ってくる。
俺としては一応男だし、好きな相手にはよく思われたい。
前にそう言ったときから、臣は同じ言葉を返してくるようになった。

「俺が好きって言っても？」

「俺が、そっちのがいいって言っても？」

そして、俺はなにも言えなくなる。
臣がいいって言うなら、かわいいままでいいんだよ。
だって臣の1番好きな俺でいたい。

「…そのままでいいの、隆二は」
「ん。わかった」

からの、極め付けで頭ぽんぽん。
こんなの毎日されたら、どんな女の子でもコロッと落ちちゃう。
ー落ちてるのは俺だけどね？

「…臣、」
「？」
「臣はもう少し、目立たないでいてほしいかな…」

なんで、と聞いた臣は本気でわからないみたいだった。
人のことは心配しすぎってくらいに言ってくるのに。

「…臣が、…から」
「何？」
「臣がかっこいいからっ！取られちゃう！」

「俺やだよ！俺臣がいなきゃ嫌だ！」

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