愛し君へ (ページ9)

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Ep.9 ページ9

龍輝「何しても無理なのか？なぁ！手術でも！？ダメなのか！？」

母「龍輝やめなさい！」

先生の胸ぐらを掴んで叫ぶ兄ちゃんを止めに入る母。
え？

何かの嘘？私が歩けない？

嘘…でしょ？

気がつけば、ベッドのシーツは涙でびちょ濡れに。

走ること、ダンスすること。…歩くことができない？

自分の足で…もう歩けないの？

家族は私の気持ちをくみ取ってか1人にしてくれた。

その方が少し気持ちが楽だ。

もう完全に動かない足を自分の手で動かして布団から出す。

もう、こうしないと動かないんだっ…。

本当に感覚がない。

本当にあるのだろうか。

さすってみるが何も感じない。

A「なんで……？なんでっ…？なんでなの！？」

悔しくて何度も痛みすら感じない足を殴り続けた。

A「動いてよ！………動けよっ！！(泣)」

声にならないほど泣いた。

なんで…私なの？

絶望的だった。辛かった。

もう歩けない、もう走れない。

自らの足で…好きなところにも行けない。

そう思ってる中でふと浮かんだRIKUさんの顔。

「実はね…。俺、Aちゃんが楽しそうに踊ってる姿好きなんだ！」

彼のこの言葉が頭の中でループされる。

あ…もう…踊れないんだ。

RIKUさんのために踊ることもできないんだ。

RIKUさんが好きな私の姿はもう一生見せることはできない。

RIKUさん、ガッカリするだろうな。

もう、RIKUさんに会いに行けない…。

こんな動かない足…何の役にも立たない。

悔しくて悔しくて悔しくて…涙が止まることは無かった。