Ep.17 ページ17
A「くっ……!んっ……!!…」
汗が垂れてくる。
そんなのお構い無しに私は何時間も車椅子に乗り降りする練習をしていた。
おかげで腕はパンパン。
手のひらもヒリヒリする。
それでも、できるまで辞めたくはなかった。
リハビリ担当の先生は何度も休憩しなきゃダメだよって声をかけてくる。
だけど、そんなの私の耳には当然に届いてない。
ごめんなさい、私こう見えて頑固なんですよ。
そう思いながら何度も何度も練習を重ねた。
真菜「…Aちゃん」
リハビリ室の入口を見ると、真菜さんが立っていた。
その後ろには甥っ子の璃希人。
真菜「汗だくじゃない。そんなに長くやって大丈夫?」
A「大丈夫!今までの分取り戻したいし」
話しながら何度も同じ工程を続ける。
「あの、もうそろ休憩してください。倒れますよ!もう、やめてください!」
A「あともう少し…やらせてください」
何も考えずに集中する。
「ダメですよ!やめてください!」
絶対にやめないっ。
「須坂さんっ!言うこと聞いて!」
真菜「Aちゃん!先生のゆうこと聞いて!」
聞かなきゃダメなことはわかってる。
でも、早く…一日でも早く車椅子を使えるようになりたいんだ。
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作者名:みゅみゅ | 作成日時:2020年10月17日 10時