【続】人気者に恋されるとこうなる(赤)

63話 ページ23

隣で爆睡かましてる奴を見つつ席を立つ


廊下まで移動して電話に出た


莉”っA！？大丈夫！？”


昨日の素っ気なさは何処へ行ったんだろ…


『うん割と。あと2時間くらいで着くよ』


莉”そっか…俺たち今着いたんだよね…俺だけでも駅で待ってちゃダメかなあ…”


ダメでしょ


あと2時間駅で何すんの…


莉”だってね…だってぇ……俺ほんとは班行動の途中でAたちの班に合流出来るようにしてたんだもん！


旅行ってさ……好きな子と一緒じゃないと楽しさ半減だよ！”










時が…止まった





声が出せなくなった





『………好きっ……て？』





必死に引っ張り出した声は掠れてる





莉犬まで無言になった





やばい…僕の空耳だったんだ…どうしよう引かれた





自意識過剰って思われたあぁぁぁぁ…











莉”……ぁ…あぁぁぁぁああｯｯ！！今のこと忘れて！！ね！？忘れて！！”


いきなり大声を出さないでっ……なんて言葉は出てこなかった


『否定……しないの…？』


｢忘れて｣ってことは、嘘じゃないってこと…？


莉”ｯう………今は電話だから…ちゃんと会って話す…


俺…もう逃げないね”


私は今ひとつ理解できてないのに莉犬は吹っ切れたような声になっている


莉”それに…早くしないと取られそう…”


『な…何に？』


莉”ｸｽｯ…教えなーい”


そう言うと、｢じゃね、待ってるから｣と言って電話が切れた


身体中の熱が上がってる気がする…






流石に僕だってド天然じゃないから、莉犬の態度が好意を持ったものだって分かる


クラスの子にはあんな態度は見せてない


でも……まるでこれは…


『中学の頃と…おんなじ』

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