ヒーローって暇なんですか？ (ページ1)

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ヒーローページ1

頭が痛い、血が出てるんじゃないかってぐらい痛い
久しぶりに学校が午前中に終わったからルンルンで帰ってたのに
急に目の前が霧で覆われたと思ったらこのザマだよ…

何者かに突き飛ばされたと思ったら上手く受け身が取れなくて地面に頭をぶつけた
ぐらつく脳をフル回転して何が起こったのかを考える
すると同時になにかの映像が脳にフラッシュバックする感覚がした

これはあの日の記憶、つまり"走馬灯"ってやつだ

私が5歳のとき、目の前でお父さんとお母さんが殺された
見たことがない化け物、動かなくなった両親、そしてその下にある恐らく両親から流れ出したであろう血から作られた血溜まり
それは私の精神を崩壊させるのには十分すぎる要素だった
｢私も殺されるんだ｣と悟ったとき、確か、ヒーローが助けてくれたっけ…

｢……ぃ、…ぉい、だ…じょう…か！？おい！？｣

そうそう、こんな感じで……

『………え、？』

？｢良かった、意識はある！星導！応急処置だ！｣

？｢分かりました、少し体に触れますね｣

そういい、私の体を抱き起こす紫髪のロング男
顔が綺麗な人だな、なんて呑気なことを考えながら自分を治療する手を眺める
頭をぶつけただけでなく、体にも所々傷があるようでそれの止血をしてくれているらしい

『…ひー、ろ…？』

？｢…そうですよ、もう大丈夫です｣

あの時と同じだ、ヒーローが助けに来てくれたヒーローがいるならもう大丈夫という安心感から徐々に視界が暗転していく

ブラックアウトしていく意識の中で微かに声が聞こえたが何を言っていたかは分からなかった

そうして私はそのまま意識を手放した