日向ごっこ:アポロ ページ13
昔、人は太陽に触れることができるのだと思っていた時期がある。子どもの頃の話だ。月に行くことができるのだ、今は体が小さいから無理だが、大きくなれば、宇宙飛行士にでもなれば、遠く青い空で燃えているあの星まで行けるものだと。けどそう時間がかからないうちに気づいた。生物はあの星に近づくことさえできない。熱すぎるのだ。
あの光り輝く太陽には、人間である私はどうやったって触れることはできない。気づいた当時はとても落ち込んだが、数日後には別のものに興味が移っていた。子どもの興味なんてそんなものだろう。今はもう忘れた。
ゲーム帰り、自室に戻る途中に私の部屋の前に扉を塞ぐように人影が座り込んでいるのが見えた。今は目を閉じて眠っているように見えるが、その端正な顔立ちから写真家のハンターだとわかる。人の部屋の前で寝ないでほしい。なんでサバイバーの屋敷にいるのかわからないが、きっと碌な理由じゃない。見なかったことにしていなくなるまでトレイシーの部屋で過ごそう。
来た道を戻ろうと踵を返し、足を踏みだそうとした瞬間何かに服を引かれつんのめる。
「お嬢さん、ちょうどいいところにやって来た。少しばかり手を貸しなさい」
声のする方に頭を回すと、ついさっきまで人形のように微動だにせず眠っていた写真家が、私の服の裾を掴んでいた。
「見てのとおり立てないんだ。そこの脚を拾って、こちらに持ってきてくれないか」
見てのとおり。なんの事かわからなくて、写真家のことを頭からつま先までよくみる。見ようとして、先程見たときは気づかなかった、写真家の右脚。その膝から先の部分がきれいになくなっていた。脚だけではない、指先はヒビが入って今にも欠け落ちそうだ。それなのに不思議なことに血は出ていない。よく見れば膝や肘の関節も球体だ。また衣装の影響だろうか。
荘園の主は偶に変な衣装を私たちに寄越す。
体の一部を水銀のような物体に変えてしまうものだったり、若い頃の姿に戻すもの、着ただけで頭が可笑しくなってしまう衣装もある。別人のように変わってしまう人もいるものだから恐ろしいものだ。私はそんなもの絶対に着ない。
辺りを軽く見渡して、少し離れたところに無造作に転がった脚を発見する。
「どうぞ」
「付けて」
なんてわがままな野郎だそれくらい自分でやれ。喉元まで出掛かったがギリギリのところで言葉を飲み込めた私の頭を撫でくり回したいよくやった。
そうだこの男は今、指も使えないんだった。
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まめ(プロフ) - marymarimomaryさん» めちゃくちゃお恥ずかしいです…別で保存してる分は修正したのでこっちも修正した気になってましたとても恥ずかしいです報告と応援ありがとうございます (2019年10月7日 7時) (
レス) id: 3642bc1b71 (このIDを非表示/違反報告)
marymarimomary(プロフ) - 写真家はレイピアではなくサーベルです。更新がんばってください (2019年10月6日 19時) (レス) id: c23eaa7cd9 (このIDを非表示/違反報告)
シナ(プロフ) - 夕美さん» すみません、忘れてました。ご指摘ありがとうございます。 (2019年1月22日 21時) (レス) id: 43e26c0f2f (このIDを非表示/違反報告)
夕美 - オリジナルフラグちゃんと外して下さい、違反です。ルールくらい確認しましょう。 (2019年1月22日 21時) (レス) id: 42f7d9fc87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめ | 作成日時：2019年1月22日 21時
