青くんと赤くん ９*

２ ページ38

.





o｢幸せに浸ってる翔くんにプレゼント。｣





s｢もう、沢山もらったよ？｣




智くんに、目に見えない、形のない愛をたくさんもらった。
両手では抱えきれないほど。





o｢いくらでもあげる、ちょっと待てて。｣






背中に回ってた腕が解けて少し寂しいな、なんて。
そんな俺に気づかず楽しそうにアトリエに向かった。






アトリエから出てきた智くんは少し大きな画用紙を持ってきた。




o｢これ、あげる。｣




そこに書かれていたのは、幸せそうに笑う俺。
その俺の首から、綺麗な桜のネックレスが下がってる。





俺こんなネックレス持ってたっけ？




o｢気付いた？｣




そう言って智くんは俺の後ろに回ってネックレスをかけた。
絵と同じ桜のネックレスを。





s｢これ…｣






o｢翔くんに似合いそうだったから買ってきた。｣






智くんが俺のことを想って俺のために買ってくれたことが嬉しい。




s｢ありがとう！｣




智くんの親指が俺の目元を撫でる。
初めて自分が泣いてることに気づく。



o｢ふは、泣くか笑うかどっちかにしろよ。｣




困った顔をして笑う。




s｢智くんのせいだし。｣




今度は優しく笑って抱きしめてくれた。
後頭部を２、３回ぽんぽんってして、好きだよ。っていう。





s｢だいすき、ありがと。｣





やっぱり幸せ。
形はなくても感じるの。



.

deformation and love.→←形のないもの、それは愛。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す