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翔くんがいなくなってから3年が経った。
最初は、どうしても翔くんを探して、ご飯も食べられない日もあった。
今は翔くんの言葉だけを信じて、ただ待ってる。
今日は久々に外に出てみようか。
最近は絵を描いてこもりっきりだったから。
翔くんの絵を。
風に誘われるまま歩く。
s「あの、すみません。
郵便局ってどっちですか?」
振り返ると、
o「…翔くん?」
ずっと会いたかった人。
s「智くん、覚えててくれたんだね。」
o「あんな別れ方して忘れろってか?」
困ったように笑う君。
s「勝手にいなくなってごめんね、どうしてもあなたのそばにいられない理由があったの。」
o「理由?」
そう言えば手紙にも書いてあった気がする。
内容を覚えるくらい何度も読み返した。
s「智くんなら信じてくれるよね…」
自分に言い聞かせるような言い方だった。
o「なに?」
s「あのね、俺別の時空の人間なの。
この世界にずっと滞在するには3年がどうしても必要だったの。」
別の時空?
訳わかんねーけど、翔くんと一緒に居られるならなんでもいい。
これからゆっくり聞けばいいんだもん。
翔くんが抱きついてきた。
ぎゅっと抱きしめて、離す。
翔くんの目を見て思う。
また出会えてよかった、と。
信じて待っててよかったって。
o「帰ってきてくれてありがとう。」
キスをして、手を繋いでふたりで家に帰る。
風が運んでくれたのは大切な人だった。
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きち(プロフ) - 優子さん» ありがとうございます!可愛さが伝わってたなら嬉しく思います。 (2016年10月4日 8時) (レス) id: c5648bfbfe (このIDを非表示/違反報告)
優子 - 読みました。翔ちゃん可愛い~ (2016年10月4日 8時) (レス) id: b8ee62cad5 (このIDを非表示/違反報告)
きち(プロフ) - 花櫻さん» はじめまして、ありがとうございます。共感していただけたなら嬉しく思います。こうだったらいいな、と思いながら書いたのですがいつの間にか少し逸れてしまいました。笑またお時間がある時にいらしてくだされば嬉しく思います! (2016年9月22日 21時) (レス) id: c5648bfbfe (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - はじめまして。いつもきちさんの小説を楽しく読ませていただいてます!『未熟』の話を読んで首がもげるくらいうなずいてしまいました。本当に実際にありそうな一コマだなぁとほっこりしました(´∀`*) こんな素敵なお話をありがとうございます! (2016年9月22日 21時) (レス) id: 69bc2f5e0e (このIDを非表示/違反報告)
きち(プロフ) - atommさん» ありがとうございます!あのふたりはほんとに暖かくて陽だまりみたいだな、っと思います。リーダーはほんとは一番男前だなとつくづく感じてそれをお話にするつもりだったんですけどね…笑またお時間がある時にいらしてくだされば嬉しく思います。 (2016年9月22日 19時) (レス) id: c5648bfbfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きち | 作成日時:2016年7月25日 17時