青くんと赤くん ９*

青空と幸せと ページ17

s side






今日は青空、雲ひとつない空が広がってる。







そんな空は、智くんに似てる。
なんか、どこまでも大きくて綺麗に澄んだ所。







純粋に何にも染まってない色。
周りに溶け込まなさそうで溶け込んでるところ。






屋上から空を見上げてふと、そんなことを思う。







空から目線を外すと、智くんが登校してきた。







金髪が太陽に反射してキラキラしてる。






s｢あ、気付いた。｣






智くんがたまたま見上げたら目が合った。
しょうがない、迎えに行ってあげよーか。







空に背を向けて校舎へ戻る。







o｢おはよ、しょーくん。｣





２階まで降りてきたところで智くんと合流した。





s｢おはよ。｣






o｢迎えに来てくれたの？｣






s｢別に。｣





俺も素直じゃないなーと思う。
でも智くんは気にもとめずに笑う。







o｢生徒会終わったの？｣





s｢さっき終わったよ。｣





夏休みだからほとんど生徒がいない。





俺が生徒会だから智くんはわざわざ迎えに来てくれた。






o｢美術室行ってい？｣






s｢絵描くの？｣





o｢うん、なんか用事あった？｣






智くんの絵が見られるなんて久しぶり。







s｢ううん、ないよ。

じゃあ図書室よってから行こ。｣







絵を描く智くんの隣で本を読むのが俺の特等席。





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