ヒトの手で災いを生む ページ13
とても良いとは言えない目覚めだった。
うっすら広がる視界から見える景色は、清々しい青空…
ではなく、天井。
心地よい風も吹くことなく、豪華なのに、どこか淡々とした一室。
汗のせいで、背中に服がべったりと張り付いている。
気持ちが悪い。早く洗い流したい。
先程の夢は_______記憶？
いいえ、そんな記憶、私は持ったことがないわ。
きっと作り話よ。どこかで耳にした噂でしょう。
ゆっくり起き上がると、ふわ、と布団から香水のような香り。
なんの匂いかは全く判断できなかったが、近くに青くて透きとおったお洒落な香水瓶が置いてあったので多分これだろう。
誰のだかは知らないが、随分とお洒落な。
部屋は見た目によらず至ってシンプルな構造だった。
拘束されている、などそんな手荒な真似はされていないし、試しに部屋を歩き回ってみたが、ドアにも鍵すら掛かっていなかった。
一体何がしたいのだろう。
生かしておいて尋問でもするのか。
そんなたいした情報なんぞ持っていないのに。
(_________なんのつもりだろう。)
私に情でも湧いたか。
それとも悪い奴ではないとでも勘違いしてるんじゃないだろうか。
_____全く理解ができない。
ほとんど災い扱いだった私に今更優しくするだなんて、お人好しにも程があるのだ。
出会った人を100%殺す殺人鬼にわざわざ笑顔で挨拶しに行くようなモンである。
そんなのただの馬鹿か命知らずくらいだろう。
…結局、妖怪もヒトもたいして変わらないではないか。
はあ、と軽くため息をつく。
結局扉を開けて部屋を飛び出す勇気すら出ず、ドアの取手を握りしめたまま呆然と立ち尽くすしかなかった。
「一体どう生きろって言うのよ…」
自分でも言ってて虚しい。
…………………………………………………………………………………………………
すみません書き忘れていたのですがウォッチ４はプレイ済みでしょうか？
じゃおの側近などの設定が４のヤツなのでちょっとしたネタバレ等々もしかしたらな〜と…
一応この物語はウォッチ４本編クリア後の話になっておりますのであれまこんな設定あったっけなとかあると思いますが未プレイの方、じゃおの動きとボイス発狂するほど可愛いのでぜひプレイを推奨致します
…………………………………………………
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柚子茶々 | 作成日時：2020年5月5日 10時
