ただいま kn side ページ23
kn side
｢ただいま｣
誰もいない空間に向かってつぶやく。勿論返答は無い。なんで言ったのかも不思議なくらいや。
リビングに向かい、内装にあまり合ってないソファに腰掛ける。これもなんで買ったんやろな？インテリアなんて別に気にしてへんけど。
走り疲れて乾いた喉を潤し、風呂でも入ろうと立ち上がった。
そして気づく。何故かあの鍵のかかった部屋から目が離せないことに。
鍵をかけた理由も、目が離せない訳も分からない。せやけど、どうしても逸らすことが出来ん。
ふらふらと、ドアの前に立つ。捻ったドアノブはするりと回って鍵のかかっていない事を報せた。
戸惑うまま開くと、何も無いはずのその部屋には1人の女がいた。
風もない部屋の中、女が纏う白いワンピースだけがふわふわと揺らめいている。らしくない、そう分かっていてもその姿は何処か優雅に見えた。
ドアの音に反応したのか、くるりと振り返った女は口を開いた。
『…シッマ？』
｢っえ、｣
俺の名前を知っとる…？俺はお前を知らんのに。
女は首から下、ワンピースから出ている部分が透けていた。多分、幽霊なんやろな。それが分かっても何故か恐怖感は抱かんかった。
『おかえり。ごめんね、返せなくて。』
｢お前は、誰なん？｣
めっちゃ大事なことな気がすんねん。大事な奴な気がすんねん。
なんで思い出せんねやろ、
近づいたらわかるんかな、たどたどしい足取りで進み出す身体。前しか見えていない俺は少しの段差につまづいて転ぶ。だせぇ…
｢、これ…｣
転んで前傾姿勢になった俺の首から覗く、つけた覚えも買った覚えもないネックレス。
それを見た瞬間、膨大な記憶が流れ込んだ。
｢A…？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 95人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紗音(プロフ) - ゼロさん» コメントありがとうございます！そこに関しては読者様のご想像にお任せ…というつもりでしたが私の中では｢お前は消えてくれるなよ｣と言わせてました！これからも頑張ります〜！！ (2020年8月10日 1時) (
レス) id: 49310bd778 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ(プロフ) - 質問なんですが、最後の番外編の夢主が聞き取れなかったknさんの言った言葉がすごい気になってしまって、色んな言葉が当てはまるので、もし決めてあれば教えていただきたいです！ (2020年8月10日 1時) (レス) id: f5adb14e6d (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ(プロフ) - ｷﾞｬｱｱｱｱ素敵な神作品ありがとうございます！まじ感動…knさん…心あるやないか！(似非) これからも頑張ってくださいいい！！(質問があるので続きます) (2020年8月10日 1時) (レス) id: f5adb14e6d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
