貞子さん！ kn side ページ18
kn side
仕事が終わって直帰する。特にやることもないし欲しいもんもないからな。
｢帰ったで｣
『おかえり〜』
少し沈んだAの声が玄関に届いた。またなんかやらかしたんか？
そう思って靴を脱いで早々にリビングに移動し、状況を確認したが、何かがおきている様子は無い。
とりあえず飯食うか。
食べている間もチラチラとこちらの様子を伺うように目線をよこすAはその行動に気づいてるんやろか。
｢なんかあったんか。｣
『あえっ！？』
｢さっきからチラチラ見すぎやねん。｣
『あー…』
歯切れの悪い返事と逸らされた目線。こりゃなんかやったな。
『実は…暇すぎてお外に出ちゃいまして…』
｢…外出てなんかあるんか。｣
俺以外に視認されないお前が外に出て楽しめる事なんて無いやろ。虚しくなるだけちゃうか。
口には出さんかったけどそうとしか思えなかった。
『あるよ！わんことかにゃんことは遊べるもん！』
｢あー、動物は感覚鋭いからなぁ｣
『そんでね！またあの貞子さんに会ったの！でもちゃんと貞子さんって言わなかったよ！』
｢偉いんか？それ。｣
ガキのようにはしゃぐA。おそらく後ろめたく思っていたのは外に出たという事だったのだろう、それを吐き出してからはいつもの調子に戻っとる。
『貞子さん、教えてくれたんだ。人間の死は2回あるって。』
｢なんやて…？｣
2つ目の死を知ることが出来ればAが消えずにすむかもしれん。一縷の望みを見出した俺はAの話に耳を傾けた。
『1つ目は肉体の死。そして2つ目は、誰の記憶からもいなくなった時、だって。』
記憶、か。でもそんなん忘れたくても忘れられんものちゃう？俺も1年ちょっと引きずり続けてきたんやで。ということは、そんな簡単には消えないって思ってもええんか。
『そしてね、もう1つ悪いニュース。』
目を伏せたまま、Aは上着の裾をまくる。
現れるはずの腹部は透き通ってあちら側が見えていた。
『また1つ、消えちゃった。』
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紗音(プロフ) - ゼロさん» コメントありがとうございます！そこに関しては読者様のご想像にお任せ…というつもりでしたが私の中では｢お前は消えてくれるなよ｣と言わせてました！これからも頑張ります〜！！ (2020年8月10日 1時) (
レス) id: 49310bd778 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ(プロフ) - 質問なんですが、最後の番外編の夢主が聞き取れなかったknさんの言った言葉がすごい気になってしまって、色んな言葉が当てはまるので、もし決めてあれば教えていただきたいです！ (2020年8月10日 1時) (レス) id: f5adb14e6d (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ(プロフ) - ｷﾞｬｱｱｱｱ素敵な神作品ありがとうございます！まじ感動…knさん…心あるやないか！(似非) これからも頑張ってくださいいい！！(質問があるので続きます) (2020年8月10日 1時) (レス) id: f5adb14e6d (このIDを非表示/違反報告)
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