10 ページ32
退場時に2人に触れて、あの目眩と共に今に戻ってきた。これでタイムスリップともさよならと思うとちょっとばかり残念かもな。
ut「じゃおぢゃあぁああ!!おめでとう!!」
rbr「おつかれ。良かったんちゃう?」
いやまじでなんで泣いてんねん。親か!!ロボロもロボロでどっから目線やねんお前!
sha「うん、まぁうまくいって良かったわ!」
rbr「途中どうなる事かと思ったけどな。」
ut「めっちゃナヨってたもんな。」
うっさいねん!こっちにだって色々あったんや…。
気づくと日は丁度真上に位置していて、俺らを見下ろしていた。見守ってくれてたんかな、あの時からずっと。
見ないように俯いていた日々にはもうさよならや。そんな思いを込めて空を見上げた。直接見るのには眩しくて左手を翳す。控えめなリングがキラリと光った。
暫し談笑していると俺の携帯が鳴った。電話だ。
ut「出てええで。誰かは大体わかっとるし。」
rbr「せやな。あいつやろなぁ?」
sha「なにニヤニヤしとんねんお前ら…」
なんだか名前を見るのが怖くて応答ボタンだけを押し、耳に当てる。聞こえてきたのは心地よいソプラノ。
『シャオちゃん!今どこにいるの!今日披露宴の段取り決める日だよ?もうすぐ時間になっちゃう!』
sha「…A?」
『そうだけど…なんか変だった?』
sha「いや、なんでもないで。すぐ帰る。」
『…?そう?はやめにね!じゃ!』
ブチッと乱暴に切られた電話的に本当に焦っているようだ。披露宴、披露宴かぁ…。
sha「おれ、未来変えられたんやなあ」
ずっと、変わることの無い現実だと思っていたこと。諦めかけて葛藤していた時間。
sha「頑張った、なぁ…」
ありがとう、神様。俺にチャンスを与えてくれて。
ぽたぽたと落ちていくものは嬉し涙やから。だから今だけは。
rbr「そんな顔して行ったらあいつ心配するんやない?ちゃんと泣き止んでから行きや?」
ut「じゃおぢゃあぁあ!!」
rbr「なんでお前も泣くねん!」
うるさい友人の声で俺の嗚咽はかき消され、次第に頬が緩み出す。
さて、涙を拭ったらあいつの元に行かな。
sha「じゃあな、後悔達。」
少しばかりの鼻声で呟き、歩き出した。
146人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紗音(プロフ) - 椿さん» 泣かないでください!?読んで下さってありがとうございます! (2020年8月17日 23時) (レス) id: 49310bd778 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - ね"ぇ、い"ま"か"ら"な"く"よ"((号泣 (2020年8月17日 22時) (レス) id: 37e6844d54 (このIDを非表示/違反報告)
紗音(プロフ) - 桜花さん» お待たせしました…!ありがとうございます〜!!頑張って次早めに出しますね!! (2020年6月1日 18時) (レス) id: 49310bd778 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 紗音さん» 完結おめでとうございます〜!!めっちゃかっこよかった...!!最高でした!!次作も楽しみに待ってますね!! (2020年6月1日 16時) (レス) id: 5ecfd5bd4f (このIDを非表示/違反報告)
紗音(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます…!早めに次出せるように頑張りますね!! (2020年6月1日 10時) (レス) id: 49310bd778 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ