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すっかり暗くなった中学校。もちろん人の姿はない。
肌寒い風が吹き抜け、先程抱きしめていたAの温もりは一瞬で消え失せる。
恋心も、消えてしまえば楽なのだろうか。
sha「そうやない。俺はもうどうなってもええんや。Aが幸せなら、それで。」
誰もいない学校で呟く。過去の自分が成し遂げられなかった事も今の俺なら変えることができる。それが神様にもらった力だから。
家に着くと玄関の前に人影が見えた。何?俺のストーカー?
恐る恐る近づいてみると俺の姿に気づいたあいつからデカい声で怒鳴られた。
rbr「こんな時間まで何しとんねん!!さっむ!!俺ここでずっと待っててんぞ!携帯見ろや!」
携帯?あぁ、通知切っとったわ。そもそもあっちで携帯使えるかどうかもわからんし。
sha「すまんすまん!んで、なんかあったん?」
rbr「お前じゃい!一時期連絡取れるようになった思たらまた取れへんくなってもうて…心配したんやぞ!」
わお。こいつにそんな心があるとは…
そんな事言ったらまたキレられそうなのでとりあえず家で暖まる事にする。
rbr「んで、何してたん。」
sha「別に、散歩やで?」
rbr「んなわけあるか!この前は公園、大先生が言っとったけど実家にも行ってたみたいやん。それって」
Aちゃんとよく遊んだとこやんな?
あぁ。こいつとは良くあいつを交えて遊んだもんな。そらわかってまうか。
sha「ほんとになんでもないねん。ただの思い出巡り。」
rbr「ほんとかぁ?まぁ、変なことに巻き込まれて無かったらそれでええんやけど…」
sha「なんやお前気持ち悪いわw」
rbr「気持ち悪いってなんやねん!こっちは心配してんねんぞ!!」
心配…かぁ。周りのこと気にせんとタイムスリップ繰り返してたから気づかんかったけど、俺の事を思ってくれるやつもいたんやな。
sha「…まぁ、ありがとう。」
rbr「おぉ!?素直やん…珍し。」
sha「珍しってなんやねん。俺いつも素直やん?」
rbr「お世辞にもそうは言えんな。」
sha「冷たない?」
これが通常運転。いつかこのタイムスリップが終わってAが幸せに暮らせる日が来たら、こいつにも全てを話そう。
sha「…そんな日が来たらええな。」
rbr「なんて?」
sha「いや。こっちの話。」
そして夜は明ける。次のチャンスを掴み取るために。
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紗音(プロフ) - 椿さん» 泣かないでください!?読んで下さってありがとうございます! (2020年8月17日 23時) (レス) id: 49310bd778 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - ね"ぇ、い"ま"か"ら"な"く"よ"((号泣 (2020年8月17日 22時) (レス) id: 37e6844d54 (このIDを非表示/違反報告)
紗音(プロフ) - 桜花さん» お待たせしました…!ありがとうございます〜!!頑張って次早めに出しますね!! (2020年6月1日 18時) (レス) id: 49310bd778 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 紗音さん» 完結おめでとうございます〜!!めっちゃかっこよかった...!!最高でした!!次作も楽しみに待ってますね!! (2020年6月1日 16時) (レス) id: 5ecfd5bd4f (このIDを非表示/違反報告)
紗音(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます…!早めに次出せるように頑張りますね!! (2020年6月1日 10時) (レス) id: 49310bd778 (このIDを非表示/違反報告)
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