迫る波涛 ページ24
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「あ、もしかしてオクタヴィネルだから人魚だろってこと？ 確かに寮で分かっちゃうよね」
「人魚っていっても、完全な人型だよな？ 魚が元じゃなくて、人間の形 保ったまんま」
これにはAは驚き、「・・・どこかで会ったかな」と声のトーンを下げて警戒心を顕にした。
その心情を汲み取ったのか、エースは慌てて両手をブンブンと降って否定をする。
「いやいや！ 別に探ったりしてるわけじゃねえけど！ ただオレがガキん頃に見かけただけ！」
「えっ？ そうなの？」
「おうよ。だいぶと昔のことだからぼんやりだけど、確かに見たぜ。グレーの髪の、すっげー美人の人魚」
「確かに子供の時は色んなところまで泳ぎに行ってた」
それはエースの一方的な認知であり、お互い話してもいなければ視線すら合っていなかった。
数年の時を経ての再会にエースはどこか運命のようなものを感じており、胸の奥底からフツフツと熱い何かが追り上がってくるのが分かった。
「やっぱAだったんだな。いやー昔もそうだったけど？ 今もすっげー美人だわ」
「ちょっと、あんまり褒めないでよ。照れる」
「おうおう、可愛いぜ」
一度口を開いたら止まらない性分なのか、次々と浴びせられる世辞抜きの褒め言葉にAは顔を真っ赤にして「エース！」と頬を膨らませる。
その姿も愛しいと思うのは、何故。
「じゃ、もう夜遅いし帰るか。また明日なー」
「うん。エースも、もうこれ以上 問題起こしちゃダメだからね」
「そん時は助けてよ、先輩？」
「はいはい」
軽くあしらってはいるが、可愛らしい後輩が出来て嬉しいのだろう、Aはニコニコと笑ってエースの肩をかるく叩いた。
「今日はサンキュ！ またな！」
エースがハーツラビュルに続く鏡の中へ消えていくのを最後まで見送り、Aは大きく息を吐いた。
果たしてAは、オクタヴィネルの誰にもバレずに、自室のベッドの中に戻ることが出来るか。
色々と脳内でシミュレーションをしてはいるが、もう今現在の時点で手遅れだということは知る由もない。
「大丈夫、体調が悪いって言ってあるもん。アズールはやることが溜まってるらしいし、ジェイドたちも病人の部屋に寄り付かないでしょ」
この考えが、後々 自分の首を絞めることになる。
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蒼空(プロフ) - あ、バレました？？ww (2020年10月5日 0時) (
レス) id: babd69b29c (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 蒼空さん» ありがとうござ・・・ん？ あなた、もしやここに来るのは二度目ですな・・・！ (2020年10月2日 21時) (レス) id: 46b7785a4c (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - うるさん» 大変嬉しいお言葉ありがとうございます。最近ちょっと更新停滞気味だったのですが、お陰様で頑張れそうです。 (2020年10月2日 21時) (レス) id: 46b7785a4c (このIDを非表示/違反報告)
蒼空(プロフ) - あ…しゅきぃ…(語彙力皆無) (2020年10月2日 20時) (レス) id: babd69b29c (このIDを非表示/違反報告)
うる - この作品がすごく好きです。これからも楽しみにしています。 (2020年10月2日 8時) (レス) id: 73336d6f0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユナ | 作成日時：2020年9月15日 18時
