【◇】ないものねだりな俺らの恋２

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東条


「ほんのちょっとなんだけど…前より自分に自信がついてきたと思うの。だから東条君ありがとう。」

「え？俺？」

「うん、東条君と春乃がいなかったらきっと野球部のマネージャーやってなかったもん。」


Aの変わるキッカケに自分の名前が出てくると思わなかったから嬉しくて。


「…ってことは俺も沢村と同様、Aから好かれてるって事でいいのかな？勿論友達として。」


ちょっと調子に乗って冒険してしまう。

友達としてと保険をかけておいて質問する辺り、自分でも卑怯だなと思うけど今は仕方ない。


「勿論大好きだよ！！東条君めちゃめちゃ優しいし、いつも仲良くしてくれてありがとう！」


…っ…！大好きって…！！

友達としてとは分かってるけど好きな子からのそんな発言、やっぱりニヤついてしまう。


「俺も大好きだよAのこと。」

「えーほんと？嬉しい！どうもありがとう！」


異性とのこんな会話、普通だったら意識するはずなのにそんな様子は一切見られなくて。


完全に友達として自分が見られてるって事なのに、それでも喜ばずにはいられなかった。

沢村は『好き』だけど、俺は『大好き』

そんな些細な事で心躍る自分は何て単純な男だろうと思うけど、それでも自分の中では大きな一歩で。



「あ、コンビニ寄っていい？」


お互いホッコリとしたタイミングでお目当ての場所に辿り着き、自動ドアの方を指差した。


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