お前を見てればわかる ページ48
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監督さんや咲也たちが茅ヶ崎の検査結果を聞き、
ゲームをせずに早く寝ろと釘を刺すと
病室を出て行った
「…先輩は帰らないんですか」
「俺はお前の看病だ」
「嘘ですね」
俺はもたれかかっていた入口付近の壁から茅ヶ崎のベッドのそばに寄り、近くに置いてあった椅子に座る
「Aさん、相当きてるみたいだそ」
Aさんが病室を出ていく時
俯いていて顔ははっきりとは見えなかったが
泣いていたし、苦しんでいるようだった
「何も言わなくていいのか」
「…多分、逆にAを苦しめることになると思うんで、今の俺に言えることは何もありません」
「…そうか」
そういうとこいつは枕元に置いてあったスマホを手に取り、横向きに持つ
と思ったらもうゲームを始めていた
「おい…さっきゲームをせずに寝ろって言われてただろ…」
「ログボだけ回収させてください」
「お前なぁ…」
「お、明日からイベ始まる」
これはまた諭吉が飛んでいくな〜
なんてことをブツブツ言ってるこいつの声色は
心做しか、いつもより沈んでいる気がした
「…茅ヶ崎はそれでいいのか」
「推しのためなら諭吉が飛ぶくr「そうじゃない」
少しキツめに茅ヶ崎の言葉を遮る
俺が何を言いたいのかわかったらしく、スマホを消して、ポイッとベッドの上に放った
「…お前、Aさんのこと、好きなんだろ」
「なんで知ってるんですか。俺言いましたっけ…あ、もしかして万里がバラしたとか」
「お前を見てればわかる」
はぁ…とため息をつく
それを見てなのかは分からないが、茅ヶ崎が俺から顔を逸らし、乾いた弱い笑い声をもらした
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作者名：菜の花 | 作成日時：2020年5月22日 23時
