友達【茅ヶ崎至】 (ページ46)

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深刻ページ46

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「＿＿＿＿って感じ」

病院にいる経緯を全て話し終えた病室内は沈黙に包まれる

各組リーダーも監督さんも深刻そうな顔をする

「…そんなに、体調悪かったんですか…？」

沈黙を破ったのは、咲也

泣きそうな顔をしている

「俺は大丈夫だと思ってたんだけど思ってたよりもだいぶ疲れてたみたい。だから今日1日は様子見で入院するらしい」

寝たし、夕飯も食べたから今は大丈夫だけどね

と明るく言う

「…でも、今一応、検査してもらっててさ」

体に異常が無いかどうかを調べる検査がされている

病院に運ばれた時、顔色が結構悪かったらしい

「その結果次第では、ナイラン再演、無理かもしれない」

本番は今週の土日

今日は水曜日だから、間に合わないかもしれない

「…それ、本当…？」

ゆっくり病室の扉を開けながらAが尋ねる

後ろには先輩もいる

「…なんで…？」

俺が病院に来た理由を話してた時、Aと先輩は飲み物を買いに行っていたからいなかった

だから俺は、今、咲也たちにした説明をAと先輩にも話した

2人は真剣な顔で話を聞く

Aの表情がどんどん曇っていき

「…って感じです」

「……＿＿＿」

俯いたまま、口元が動く

でも声はよく聞こえなくて、Aの顔を覗き込んで聞き返す

その表情は、つらそうな、今にも泣きそうな、そんな顔をしてた

「体調悪いの、気付けなくて、ごめん…」

「A、会社でも心配してくれてたじゃん」

「そうじゃなくて…倒れるくらい、体調が悪かったことに気付けなくて…ごめん…」

「それは俺もだから、大丈夫だって」

なるべくいつも通りの口調で伝える

それがAに伝わったのかは分からないが

顔を上げ、俺の顔を見て申し訳なさそうな笑顔を向ける

「…そっか。なら…よかったよ」

その目には、涙が溜まっていた

「……A、」

「大丈夫そうな茅ヶ崎くんみたら安心したよ。じゃぁ私、仕事に戻るね。お大事に」

「あ……、うん、わかった」

捲したてるように口を動かし、俺の返事を聞く前にAはこちらに背け

咲也たちにお辞儀をして、先輩に

「先に戻ります」

と声をかけると、病室を出て行った

出ていく直前、

Aの顔を見た先輩の表情が曇ったような気がした

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