友達【茅ヶ崎至】 (ページ34)

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気付かれないようにページ34

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食べ物は勿論、飲み物すら買えない私は大人しくデスクに座って昼休みが終わるのを待つ

たまに後ろをすれ違う人に

どうしたの？

お昼は？

大丈夫？

と声をかけられる

その度に、適当な嘘をついて誤魔化してきた

うちの部署の社員さん皆さん優しいです…

お腹空いたなぁ

窓の外を見る

さっきと変わらず暗いまま

このままだったら雨降らずに帰りまで持ちそう

「A」

真後ろからいきなり名前を呼ばれる

振り返るとそこにはコンビニの袋を持った茅ヶ崎くん

お昼休みまで魔法のカード買いに行ったのかな？

「ん？なに？」

「これ、やる」

「えっ」

持っていたコンビニの袋をずいっと差し出す

てっきり魔法のカードでも買ってきたのかと思ってたけど違ったみたい

「A、昼飯食ってないだろ」

「なんでそれ知って＿＿＿」

「課長に呼ばれてるからって、あんなの、すぐに嘘だってわかるから」

「…バレてたか」

「なんでご飯食べてないの」

「…財布忘れた」

「なんでそれもっと早く言わなかった」

「迷惑、かけたくなかったし」

「そういうの気遣いいらないから。いつも強引に誘いに来るのはどこのどいつだよ」

「…私です」

コンビニの袋をありがたく受け取る

すると彼は自分のデスクに戻ってすぐに業務を開始した

まだお昼休み終わってないのに仕事

茅ヶ崎くんってそんな仕事人間だったっけ…？

と思ったけど、そういえば彼明日から出張だったな

多分、それ関係の仕事だろう

「頑張れ…茅ヶ崎くん…！」

彼にエールを送りつつ、コンビニの袋を開ける

そこには

おにぎりふたつと

デザートのプリンがひとカップ

入っていた

「デザート入れてくれるなんて、さすが茅ヶ崎くんだ…」

ふふふ

と思わず笑みがこぼれた

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やばい

コンビニから戻ってきた辺りから頭痛がピーク

まじで痛い

「…あー…痛い…」

デスクに戻った後、Aに気付かれないように俺は頭を抑えた

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