友達【茅ヶ崎至】 (ページ30)

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名前で呼ばねぇの？ページ30

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夜

茅ヶ崎くんと電話しながらゲーム

万里くんも一緒

『っしゃぁ！』

「あ！まって！」

『Aさん置いてけぼりじゃん』

「ここに！回復薬あるよ！」

『まじか見てなかった、万里代わりによろ』

『俺！？ったく…』

万里くんと協力して回復薬をゲットし

HPが溜まっていくのを確認する

『てか、そのAの装備なら武器こっちの方が良くね？』

「ん？」

持ち物の欄が赤く光る

そこをクリックすると

【たるちからの贈物】

と表示されていた

なんだ？と思いながら開けるとそこには、滅多に手に入れられない貴重な武器が

「え！？これ、レアじゃん！超レア！」

『これ既に3つ持ってるから、1個あげる』

『至さんが物やるとか、珍し』

「ほんと、いいの？！茅ヶ崎くん、いらないの！？」

『だから持ってるって言ってる』

うへぇ…

と思わず言ってしまう

「…有難くいただきます…！！」

『ういうい』

茅ヶ崎くんには見えてないけど、ゲーム画面の前で頭を下げる

頭をあげるのと同じタイミングで、万里くんがなにか思い出したのか、話を切り出す

『Aさんって、至さんのこと苗字呼びっすよね』

「そだよ～」

『劇団員は皆、名前で呼んでるのに？』

…確かに

私はゲームを操作しながら続ける

「入社した時の癖が抜けないからかな？ほら、卯木先輩も苗字だし」

『至さんのこと、名前で呼ばねぇの？』

「今までずっと苗字だったからねぇ、いきなり名前ってちょっと恥ずかしいし」

至くん

って呼ぶ柄じゃない

「茅ヶ崎くんの方がしっくりくるよ」

『へぇ』

「えー、万里くん。聞いといて、へぇってなんだよー！」

『あっ、ちょ！』

私の操作しているキャラで、万里くんをポコポコ叩く

そういえば、さっきから茅ヶ崎くん、静かだな

『………』

「…ちーがさーきくーん……？」

『…ん？』

「静かだね、どした？」

『…別に。そんなことよりさっきからA動き遅れてる』

「あ、ごめん、今行く～」

どうしたんだろう…？

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Aさん、至さんの顔見えてなかったからよかったけど

今の至さんの顔、すっげぇ怖い

めちゃくちゃ不機嫌

マイクを一旦オフにして隣に座る超不機嫌な至さんに声をかける

「…ったるさん、顔、怖いから」

「…うるさい黙れ」

「…こわこわ」

名前で呼んで欲しけりゃ頼めばいいのに

なんて言ったら
ゲーム内でボッコボコにされるな

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