友達【茅ヶ崎至】 (ページ28)

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ゲーム…出来ない... ページ28

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お昼、社食でうどんをすすっていた時

「相席いい？」

という声が

顔を上げるとそこに居たのは卯木先輩

私はどうぞ、と頷く

卯木先輩の持っているトレーには、カレー

「ありがとう。茅ヶ崎は一緒じゃないの？」

「茅ヶ崎くんは、上司に…呼ばれて…って、卯木先輩、お皿、赤いです。赤い。」

笑顔でスパイスを振りかけている

皿を一切見ないで

え、めっちゃ赤い

「ん？あぁ、食べる？」

「いいです。遠慮します」

「そうか」

そう言うとカレーをパクッと1口食べる

汗ひとつかかずに食べてる

甘党の私には考えられん

「卯木先輩、茅ヶ崎くん探してたんですか？」

「いや、茅ヶ崎をみかけると大体Aさんも一緒にいるから」

「そんな一緒にいないですよ」

私ってそんなに茅ヶ崎くんと一緒にいたかなぁ

うーーん？

と考えてたら社食に茅ヶ崎くんが入ってきた

「Aと先輩の組み合わせ、レアですね」

隣、失礼します

と言って卯木先輩の隣に座る茅ヶ崎くん

「あれ、茅ヶ崎くん、何も食べないの？」

「食べる気失せた」

「何かあったのか？」

「…よくぞ聞いてくれました……」

すると茅ヶ崎くんは机を(周りに迷惑にならない程度に)ダンっと叩く

かと思えばひじをつき、顔を覆う

「…出張を……頼まれたんです…」

「あら」

「いつからだ？」

「明後日です…うぅ……」

半泣き状態の茅ヶ崎くん

「公演には被らないな。良かったじゃないか」

「良くないですよ…！！いや良かったんですけど…！！！」

「どっちだ…」

「良くないって、何かあるの？」

「…………出張だと…ゲーム…出来ない…」

「あーー…それは…どんまい」

茅ヶ崎くんにとってゲームは生命活動に関わるもんね

「遠いのか？」

「日帰りなんで、そこまで」

はぁぁぁぁぁぁぁぁ

と盛大なため息が口からもれる茅ヶ崎くん

見ててちょっと可哀想になってきた

…まぁ、会社で働く上で出張は嫌でも着いて回るんだけど…

「…仕方ないなぁ」

茅ヶ崎くん、と小さい声で名前を呼ぶ

んん…？と弱々しい返事の彼

「今日と明日、共闘(ゲーム)付き合うよ。その代わり出張頑張って」

「……まじ？」

「まじまじ」

目を輝かせる茅ヶ崎くん、犬みたい

ちょっと可愛い

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