友達【茅ヶ崎至】 (ページ26)

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胸のドキドキページ26

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家の前で茅ヶ崎くんにお礼を言う

「ありがとう」

「ん、じゃぁね」

「うん、また明日」

明日からまた仕事が始まる

茅ヶ崎くんが嫌な顔をしながら頷いた

「そんな嫌そうな顔しないでよ～、私も嫌だけど」

「弊社爆発しろ…」

「こらこら」

茅ヶ崎くんを軽く小突く

困ったような顔をする彼

「…とりあえず、もう帰るから。ちゃんと戸締りして寝ろよ」

「茅ヶ崎くんは私のお母さんですか？」

「せめて親父にしろ」

「はははっ、ごめんごめん。じゃぁ、また明日ね」

短く返事をするとこちらに背を向け、歩き出す

彼の背中が見えなくなるまで見送ったあと、

家の中に入り、自室のソファに座り込む

「……あの言葉、意味…知ってて使った…？」

ソファに深くもたれ掛かり、顔を手で覆う

『…月が、綺麗ですね』

あの時の茅ヶ崎くんの顔

いつもと違ってた

真剣な顔で言うから、凄くドキドキした

今も、心臓がうるさい

「…知ってるわけ、ないよね」

茅ヶ崎くんが知ってるわけないよ

ゲームのことしか脳に無いし

ゲーマーだし

って、こんなこと、本人に言ったら

それくらい知ってるわ。ゲーマー舐めんな

って怒られそう

「…ふふ」

思わず、笑みがこぼれる

それに、私は茅ヶ崎くんのこと、友達としか思ってない

今までも、今も、これからも

ずっとその関係は変わらない

…変わらない、はずなのに

「…なんで…っ…」

胸のドキドキが、止まらない

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