友達【茅ヶ崎至】 (ページ11)

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服を買ったあとはページ11

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服を買ったあとはメイク

莇くんが気に入って通っているお店に向かう

「Aさんの肌色すげぇ綺麗だからこれがいいと思う」

「リップはあの服に合わせるならこれだな」

「確かに、あとこれも可愛いと思う」

デジャブですか

また隅の方で会話を聞いてます

「だからー、そんな端にいたら意見聞けないでしょ」

「あんたはもうここにいろ」

腕を引っ張られて莇くんと幸くんの間に連れたこられた

万里くんは私の後ろに立つ

え、なにこれなにこれ

こんな子達に囲まれたらおばさん心臓が持ちませんよ？

「…ﾌｼｭｰ…」

「…なんの音？」

「…私の魂が抜ける音」

「何言ってんの」

ほら、そんなことより手出して

と莇くんに言われる

私は半ば無意識に手を差し出すとその手をぎゅっと握る莇くん

急なことに私の意識が一気に戻る

「なんっ、なんっ！？な？！？」

「慌てすぎ、これ試しにちょっと手に付けるだけだから」

慌てる私を笑いながら説明してくれる彼

メイクを試す彼の目は真剣で、恋愛の話を持ち出した時のあの慌てようとはまるで別人

この前、莇くんに初恋の話を持ちかけたら

『初恋とかまだ早ぇだろ！』

と言って逃げて行ったのが思い出される

「…これとこれ、どっちがいいと思う？」

私の顔を覗き込みながら聞いてくる

正直メイク分かんないからどっちもいいとしか言えません

と、正直に答えると、万里くんと幸くんにも同じ質問をする莇くん

「こっち」

「こっち」

意見が割れました

「俺もどっちもいいと思ってたからな…

どっちも買うわ」

私の手に付けたメイク達を綺麗に拭って、

「買ってくるから待ってて」

と莇くんは言う

これまた私の返事を聞く前にレジに向かった3人

「…惚れてまうやろ」

誰に聞かれることなく私の呟きは店内の賑わいに消えていった

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