三輪隊の6人目__SideStory2 (ページ8)

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｢……なぁAさん｣

俺死んじゃう

『あと少しだから頑張れ』

無理だろこの状況

だってさ？

＿＿＿＿＿俺好きな人と手繋いんでるだぜ？

『……出水？』

｢(はぁぁぁぁぁっ、)｣

今手ぎゅってされた。無理。好きすぎて死ねる

なんでこんな事になったかわかんねぇけど、経緯なんてもうどうでもいい。

え？良くない？

いやさ？

急に俺の腕を引っ張って太刀川隊隊室の訓練室に突っ込まれたと思ったら手繋がれた。しかも両手

そんだけ。

『上から2番目、右から5番目、1番手前のそれ弾いて』

……でも無いかもしれない

俺たちの手の上方には形の分からないトリオン(一応バイパー)が浮遊し、しかもそれが二宮さん方式(おしゃれ)カットされている

指示された場所だけをテキトーに飛ばすと、遠方から爆発音が聞こえてきた

｢…なぁ何これ｣

流石にちょっと理解できない

『柚宇さんに設定いじってもらって、私と出水のトリオンを繋げて同じ位置に2人分のトリオンを出せるようにしてもらって、……あ〜、1番奥、1番上の右から3番目のやつ要らない』

｢おう｣

『で、錐体カットにしてもらって、今パズルみたいな感じで遊んでる。…さっき飛ばしたやつの左隣45°時計回り』

｢あーまじかぁ｣

確かになんか、パズルっつーかテトリスっつーか屋台の型抜きっつーか

頑張って何かを作ってる感はある

つまり、俺は黙って指示に従っとけばそのうち完成するってことか

え？適当？

俺今幸せだから何でもいいんだよね

｢……ってかなんで俺？｣

『出水が天才だから』

｢あ〜…まぁ、う〜ん…？｣

『歯切れ悪いねぇ。米屋の時は自信満々なのに』

いやだってさ。
Aが俺から離れた理由ってそれなんでしょ…？

そこ褒められても嬉しくねぇって

『……言い方変えるね。出水が優しくて器用だから』

｢…は、｣

『何も説明してないのに手伝ってくれるし、手も繋いでくれたし。…あと、軽々しくやってるけど指定した場所ピンポイントで動かすの大分難しいからね？』

そこまで言われてハッとする

……だからバイパーなんだ。

指定箇所弾く位ならどんな弾でもできるけど、向きを変えるには錐体の形を考慮しながら僅かに弾道を変えなければならない。

バイパーを使い慣らしたAは直感で思ったんだろう

これができるのは加古さんでも二宮さんじゃない。

……俺だって。