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なりすまし ページ47

また巡ってきた夜勤の日

落ちてくる瞼と寝たがる身体に鞭を打つようにトリガーを起動させ、隊室の扉を開ける。


大方先に居るのは秀次辺りだろうと思いながら足を踏み出すと、視界に映ったのは予想とは違う人物だった



『……米屋じゃん』

米「よお」

『秀次は?』

米「知らねーよ?」



隊長の定位置と言っても良い様なソファに腰をかけ、スマホを操作する米屋



『何してんの?』

米「弾バカ様にだる絡み中〜」



そう言うとニヤッと笑い“座るか?”と隣を開けてくれたので大人しく従って腰をかける

スマホを見ていたのは相方・出水にしつこく連絡を入れていたようで、スマホを覗いたら彼とのトーク画面が開かれていた。



_____ただいま日付の変わる数分前
出水が起きてるのが少々以外だった。
あの人明日午前任務じゃなかったっけ。




米「ねみぃらしいから起こしてやってる」

『大好きじゃん』


眠いのに付き合ってる辺り米屋への愛が溢れてる
……って言ったら出水に怒られそう










『……私さ、米屋と居る時の出水が1番好きなんだよね』

米「……は?」

『いやさ、何か私の前だとキザ感満載だし頑張ってるんだなーって感じだけど米屋相手だと素じゃん?』

米「ブッww ハハッ、ヒィ〜ッwwwおもろw」



何が面白かったのか米屋は膝を叩いて足をジタバタさせながら爆笑し出す

なんなら目には涙が浮かんでいる




米「まぁ確かにA前だとカッコつけ出すわ」

『だよね?』



理由は_____そう言う事なのは重々承知だが、私は素の彼を見ている方が圧倒的に好きなのだ



米「んじゃ、素の弾バカ様と会話するか?」

『どうやっ、おわ、』

米「俺のスマホから連絡しろよ。一応俺っぽくしないとバレるから気をつけろ〜」




ペイっと軽く放り投げられたスマホを落とさないようにキャッチすると再び米屋の口角が妖しく上がる


つまり_____




米 「なりすまし」





私が米屋になりすますのか。




『……米屋って普段絵文字系使わないよね?』

米「めっちゃやる気じゃんw」

『まぁね』



出水の反応面白そうだし




米「やばいもう腹筋死にそう」


ケラケラ笑う米屋はスマホを手放した事で手持ち無沙汰になった手__と言うか腕をソファの背もたれに伸ばし、私の手元を覗きこむ

それに合わせて私も米屋との距離を詰めれば“サンキュ”との声が頭上から






……なんか。


米屋が至近距離にいるって意外と落ち着くのね

・→←わん。



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作者名:八月蝶 | 作成日時:2023年3月16日 16時

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