三輪隊の6人目__SideStory2 (ページ45)

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「〜〜なんじゃお前ら！！！」

三輪隊、嵐山隊、片桐隊は全員揃って開発室に来ていた。

正直三輪隊以外は要らなかったが、記憶消失の彼女に不満を募らせた者や元の彼女に会いたいと願う者が集いに集って鬼怒田さんを困らせたのだ

秀「うちの隊員である福地がトリガー起動時に幼児化しました。至急、トリガー解析を要求します」

鬼「問題はそこじゃない！なぜこんな人数を引き連れてきた！？」

秀「それは着いてきた奴らに聞いて下さい」

鬼「〜！雷蔵！！！」

呼ばれたふくよかボディの男は“はいはい”と少し面倒そうにAを預か＿＿＿＿＿ろうとした。

『……やぁだ』

秀「A？」

ここに来て初めてAがごねたのだ。

『しゅーじとバイバイしゅるのやぁだ……』

目に涙を溜めて離されまいと、必死に三輪にしがみつく彼女が発した言葉は、

……恐らく彼女の奥底に眠っていた言葉

秀「……バイバイじゃない」

『しゅーじ？』

秀「すぐ会える。待っているから行ってこい」

『……うん』

幼女に何処かに何かの面影を感じさせた彼の言葉はAの中に響き、信用に変わり、手を彼の首から離させた

雷蔵に渡った彼女を見送った時、
彼女はそっと三輪に向けて微笑んだ

＊

『……え？うそ、』

雷「あ、起きた？トリガーの換装部分のコードエラーでちょっとバグが起きてたんだよね」

『はぁ……？』

高校2年生の身体に戻った彼女は自分が何故開発室に居るのか分からなかった。

だって、自分は隊長を隊室で待っていて＿＿＿＿＿

雷「三輪は向こうで待ってるから。早く行きな〜」

何故彼が自分を待っているのだろう

よく分からないまま促されるままに開発室の出入口付近へ足を運び、そして今度は彼女が絶句した

『へ、ちょ、なに……っ！』

戦くのも無理はない。
普段“破格のタワマン”だの“超優良物件”だの豪語していた優しさの権化・片桐の額に青筋が入り、

奈良坂が虚ろな瞳でこちらを見据え、

月見が見たことない程口角を上げていた

本能的にやばいと察した彼女は安全確保のために“彼”に抱きつく

＿＿＿それが事態を悪化させるとも知らず

『ねぇ怖いから！！秀次どうにかしてよ！？』

秀「……そうだな」

『する気ないよね！？』

彼女は助けを求めて三輪をキツく抱きしめたが、

対する三輪は愛する彼女の帰還に満たされ、ただ優しく彼女を抱きしめ返すだけだった

fin.