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時「そうですよ。A先輩です」
混乱する集団の中でもう1人、
冷静に彼女をAだと断言したのは普段彼女が可愛がる後輩＿＿＿時枝だった。
時「おれの事、分かります？」
『うん！とっき！』
時「正解です。偉いですね」
一条の腕の中にいるAの頭を撫でると時枝は頬を膨らませる
時「……雪丸の方が好きなんですか？」
一「え、今更！？……俺が1番だよね？」
時 「そんな事ないと思うけど」
『……？』
静かに火花を散らす2人を前にし、幼女は不思議そうに首を傾けた。
何故2人が揉めているのか全くもって理解していなかったからである。
片「この子はAなのか、？」
秀「……あぁ」
空気の悪くなった時枝、一条からAを奪って再び腕の中に閉じ込めた三輪に恐る恐る聞いた片桐は絶句した。
だって、
彼の愛する福地Aは同じ高校2年生で(以下略)だから
秀「記憶は1部残っている」
片「……1部？」
秀「俺たちの中だと奈良坂の記憶だけが消えていた」
片「ふっ、……ふふ」
冷戦相手の記憶が抜け落ちている事が嬉しかったのか、面白かったのか堪える様に笑う片桐は優しい笑顔で彼女に語りかけた
片「……俺のことわかる？」
それは当然の如く自分の事が記憶にあると言う設定で。
『……？』
片「……え？」
けれど彼女はﾌﾙﾌﾙと首を横に振るだけ
つまり、片桐の事も記憶に無かったのだ
結「Aちゃん？」
『……だぁれ、』
結「……え？」
同時に片桐隊のオペレーター＿＿＿＿結束の記憶も抜け落ちてしまっていた
『……ぁ、あ〜や！！』
綾「私のこと分かるの！？」
『うん！！わたしね、あやのことだいしゅき！！』
綾「〜〜っ！！！私も大好きよー！！！」
傷つく結束を無視して綾辻に大告白を成すAは天使の面をした悪魔である。
……なぜならA。
彼女は背後にいる月見を再び狂気の沙汰に追い込んでいたからだ。
オペレーターは皆平等。
そう思っていたはずなのに、彼女の心の奥底ではオペレーターにも序列がついていたかもしれない現実を目の当たりにして月見の心は真っ黒に染まってしまったのだ
＿＿＿＿それはさておき、
結論から言うと
彼女はその場にいた集団の中で奈良坂、片桐、結束の記憶だけが抜け落ちていた。
原因は＿＿＿＿＿不明。
或いは＿＿＿＿＿元の彼女のみ知る
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作者名：八月蝶 | 作成日時：2023年3月16日 16時
