三輪隊の6人目__SideStory2 (ページ33)

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17歳の夏ページ33

【今度海行かね？】

事の発端は弾使いの戦闘狂の提案だった。

夏休みのある日
冷房の効いた涼しい隊室でソファに腰をかけた隊長の膝に頭を乗せて微睡んでいる時に事は起きた。

あと3分で眠りに落ちそうな所まで行った時、不意に肩を叩かれ、見せられた画面に映っていたのが冒頭のメッセージ

高校2年生の仲良しボーダー隊員グループで送られてきたそのメッセージに次々と賛同の返事が寄せられる

＿＿＿＿＿主に男子

『……海ね』

秀｢……行くか？｣

『んーん。行かない』

理由は色白ある。
暑いのが苦手とか
日焼けしたくないとか

けれど1番の理由は＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

スマホを借りて数個のやり取りをした後、またスマホを返して寝る姿勢に入る

『……秀次は行くの？』

秀｢行かない。……おやすみ｣

『ん。おやすみ』

頭を撫でられる感覚が気持ちよくて、気づいた時には意識を飛ばしていた。

この後1部が荒れ狂う事も知らずに＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

『……ん、ん〜、』

秀｢……起きるか？｣

『ん。』

眩しくなった視界とまだ正常に動かない頭

“寝てたんだっけ”
と寝ぼけている辺り寝てたんだろう(？)

『……何時間寝てた？』

秀｢2時間半｣

『え、うそごめん』

慌てて起き上がると“寝起きでいきなり動くな”と怒られる

重かっただろうに動かないでいてくれたことと言い、身体を心配してくれていることと言い優しすぎる

『……何か機嫌良い？』

秀｢別に｣

いやこれは絶対上機嫌だ。

なんだ。何があった。

私が寝ている間に何が起きた

秀｢……どうでもいいが早くスマホを確認しとけ｣

事情を探ろうとしたのに勘づいたのかぶっきらぼうに顔を背けて机上のスマホを顎で指し示す秀次

その行動が何となくソワソワしていて“もしやスマホにヒントがあるのでは…？”なんて推測を立てて

スマホを取って再び秀次の隣に腰をかける

横の電源ボタンを軽く押した刹那目に入ったのは

100件を超える大量の通知

『へ、あ、え？なにこれ』

寝る前に秀次のスマホで見たグループトークが30件ほど
出水公平から15件
奈良坂透から10件
片桐隆明から8件

他にも女子たちから2、3件ずつ

佐伯、米屋、隠岐、新、から数件

山の様な通知に思考回路が停止し、倒れるように隣にもたれ掛かると再び撫でられる頭

『待って寝そう』

秀「おやすみ」

「寝ない」