三輪隊の6人目__SideStory2 (ページ4)

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目の前にいる男は言葉には出さないものの、瞳に浮かぶ怨念に似た強い何かを宿していた

それは動揺の様な、不安の様な、焦りに似たものでそれら全てとは違うもの。

……どうしてこう、あいつは人を沼にハマらせてくんだか

どうしようもない問題に大きく溜息を吐いてソファから立ち上がる

「……俺はあんたには感謝している。」

嵐｢……は？｣

「Aと出会わせてくれた事。あの時は迷惑でしたが、今となってはこの上ない出来事です」

だから、

だからこそ

「……護る物を与えてくれてありがとうございまた。」

＿＿＿＿あいつの笑顔を護りたい

嵐｢……お前こそ、随分な執着だな｣

「……なんとでも言えばいい」

執着と言われようが重いと言われようが

あいつが笑顔で俺の隣にいてくれればそれでいい。

「(沼にハマったのは俺の方か、)」

まぁそんな事今更どうでもいいが、

「広報の降板は本人もオペレーター(蓮さん)も合意している。……あいつを星にさせてやれなくて申し訳ない」

最大限の煽りと牽制を残し、一礼をしてから部屋を出る

扉が閉まった瞬間に彼女と星達の間に境界線が生まれることを信じて、俺を待つ愛しい蛇の元へと歩きだす

＿＿＿＿＿後ろで“何か”が壊れる音も無視して

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

ｶﾞｼｬﾝ！と大きな音が響いた。

俺の中で支えていた物が粉々に砕け散ったようだ。

佐｢、ぁぁああ嵐山さん！？ちょ、ちょっと！？｣

時｢佐鳥タオル持ってきて！綾辻さん...！｣

綾｢破片が入ってはいけないから医務室へ行きましょう！時枝くんお願いできる！？｣

時｢はい！｣

仲間たちが何を焦っているのか分からず、視線を下にずらすと持っていたコップが砕けていた

まるで自分の心を表す様なそれに自嘲的な笑みが零れる

きっとこんな粉々になったらもう戻らない。

...……でも。もし戻せるとするなら、

それはきっと

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

『嵐山さん！！』

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

彼女だけ

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佐｢(生身で硝子割った！？！？)｣

時｢(意外と怪力だなぁ、)｣

綾｢(一応Aちゃんに連絡しとこうかな………)｣