三輪隊の6人目__SideStory2 (ページ11)

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晴れのち土砂降りページ11

私は今日何回“無理”と言ったのか

3、4時間目の前の文字とひたすら睨めっこし、心をへし折られ、隣にいる人物にひたすら助けを求め続けた

『……無理』

「はは、大丈夫。頑張ろうな」

ここまで来たら仏だ。

こんな出来の悪い私の古典に付き合わせているのに嫌な顔1つせず“大丈夫”、“そこは間違えやすいから”と常に微笑んで対応してくれる彼

それに加え頑張れるようにと用意されたデザート達。

ここは天国か。

『……ここって帝のお言葉？』

「そう」

『じゃあこれ受身で捉えていい？』

「正解。やっぱりできるな」

＿＿＿あぁここは天国だ。

褒めて伸ばす方式なのか頭撫でてくれるし安心感凄いし

『……やっぱり片桐だね』

片｢ん？｣

万が一来年クラスが離れたらこの破滅的に近い私の古典はどうすればいいのか

片｢A｣

『はい？』

片｢ここの確率の計算、｣

『あーそれね、一気に計算しないでかける数字書き出して分子と分母の同じ数消してから計算する方が確実だし早いよ』

片｢……ほんとだ｣

“助かった”と微笑まれるが助けられてるのは100%私の方だ

4時間弱も付き合わされてるのに文句さえ言わないどころかお礼するって善人すぎるでしょ

片｢……来年クラスにA居なかったら困るかもな｣

『同じこと思った』

片｢……本当か？｣

『だってこんなのに根良く付き合ってくれるの片桐ぐらいなもんだよ？』

それに毎日のように甘やかされ、学校じゃ片桐命感が溢れてきて最近困り果てている

更に言えば当の本人は無自覚みたいだし

どうせあれだ。昔から雪くんと一緒だから無意識に兄としての能力が鍛え上げられたんだ。妹キラーめ

『生まれ変わったら片桐の妹か弟になりたい』

片｢…………兄弟がいいのか｣

『うーん？』

別に兄弟へのこだわりはないが、

片｢……その、例えば彼氏と、か｣

『あー』

確かに片桐が彼氏や旦那になってくれれば生涯幸せで居られるような気がしなくもないけど

『……今はあんま彼氏とか考えてないかも』

最近米屋絡みの面倒事に巻き込まれたばかりだし

＿＿＿＿＿それに

『＿＿＿＿私に彼氏とか心配でしょ？秀次』

椅子にもたれかかったまま上方に片手を上げ、

数分前から感じていた背後の存在の頬を撫でた