蛇と星のしがらみ ページ2
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ｺﾝｺﾝｺﾝと控えめな3回のノック音後開かれた扉の向こうには黒のインナー姿の赤い瞳の少年が立っていた。
いつかの時より良くなった顔色に彼女の陰を感じて硝子のコップを持つ手の力が自然と大きくなる
……けれど、事を荒立ててはいけない。
広報活動で培った笑顔を貼り付けて“よく来たな”と告げる
秀 ｢…突然申し訳ありません｣
「いや、大丈夫だ。……綾辻、お茶を入れてくれ」
奥にいたオペレーターに指示をし、来客をソファに座らせて向かい合う形で座り直す
＿＿＿＿果たしてどんな要件だろうか？
昨日の夜方、突然来たアポ取り連絡に丁度予定が空いていたからなんて理由で二つ返事で了承したが、そもそも彼がこちらを訪ねてくるなんて珍しい事だ
彼も隊長の責務を背負っているためこちらの予定は把握済みだろうが、わざわざピンポイントで空きを狙ってくる程の要件だと考えると……
そこそこ大きな話題と考えて差し支え無いだろう
「珍しいな。お前から来てくれるなんて」
秀 ｢……そうでなければ話が進まないと思ったので｣
「……へぇ。それはまた気になる話題だな」
貼り付けた笑顔で顔を見合わせた時、
丁度綾辻がお茶を持ってきた
“どうぞ”とテーブルに置く彼女に対して小さく一礼をして 、1口お茶を啜る三輪
「(…さて、全て整ったな)」
社交の場で折り入った話をする際の所作を一通り終えた所で一息ついてから口を開く
「……それで？今日はどうしたんだ？」
＿＿＿＿彼から紡がれる言葉の大きさを知らずに
秀 「…Aの件です」
「……A？」
…彼女がどうしたと言うんだ？
彼の登場早々に陰を見た人物の名前が挙げられた事に動揺し、持っていたグラスの力を更に込める
対して三輪は何も意に返さかのように相変わらずの無表情でこちらを見つめたまま、何を考えいるのか分からない
「Aがどうした？」
秀 ｢単刀直入に言います。嵐山さん。
＿＿＿＿＿早急にあいつを広報から外して下さい｣
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作者名：八月蝶 | 作成日時：2023年3月16日 16時
