文化祭編 ページ17
手を重ねた片桐が放った言葉は衝撃的なもので
どうにか取り繕ったけどかなり動揺してまった
県外スカウトに来て欲しいとの頼み
本部長から“行く人に括りは無い”とは聞いていたけど
まさか他隊から個人的に誘われるとは思わなかった
片桐と秀次を天秤に掛ける日が来るなんて、と迷走しつつ頭をフル回転して出した答えは残留
大事な隊長様から離れる事は出来ない、
言うのが三輪隊の6人目としての決断
けれどそれは片桐を不安にさせてしまった
片桐に誘われていたら隊に入っていたのか
記憶を遡ってもしもを考えるけどその答えは出てこない
＿＿つまり分からない
『…秀次が根は鬼真面目なの知ってるでしょ？』
片 ｢？…あぁ｣
『その三輪秀次って人間がボーダーって言う組織のルールまでねじ曲げてまで私を欲しいって言ってくれた。他に強い人はたくさんいたのに私だけを見て手を差し伸べてくれた。………ずっと天才と比べられて見下されてきた私はそれが嬉しかったの。
……片桐は私のために組織のルールを曲げられる？』
片 ｢！、それは…｣
分からないとか言ったけど本当は答えが出ているんだろう
どんなif話も否定できる強い答え。
＿＿＿＿＿私は三輪秀次に着いて行った
『ふふっ、ごめんね。意地悪しすぎた』
片 ｢いや、｣
『でも多分そーゆー事だよ。今の私にとって大好きな隊長は秀次ただ1人だから』
ごめんねと苦笑いすれば少し乾いた笑みを返してくる片桐
重ねられた手が少しだけ強く握られて体を向き直せば反対側の手には小さな花束
片 ｢プレゼント｣
『これは…？』
片 ｢ゴデチアだよ｣
ゴデチア
初めて聞く花の名前に頭を傾げながら愛らしい花束を受け取る
『またお花貰っちゃった』
片 ｢よく似合う｣
『冗談でも嬉しいかも。ありがとう』
クラスが離れる事を知った4月とどこか似たような雰囲気を纏った空気感を懐かしく感じながら視線を外に向ければ後夜祭が終わるタイミング
『……そろそろ教室行こっか』
片 ｢そうだな｣
後夜祭の欠席がバレないように
1-Cと書かれた教室前の廊下を後にする
片 ｢…来年もあそこに集合だな｣
『気が変わらなければね』
片 ｢……俺はずっと変わらない｣
そんな彼の想いを乗せた花束を自分が持っていることを私はまだ知らない
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八月蝶(プロフ) - 優珂さん» こちらでもコメントありがとうございます！！番外編も書きたいお話が沢山あるのでゆっくり消化していますね！！ (7月8日 23時) (
レス) @page23 id: b72455cc3b (このIDを非表示/違反報告)
優珂 - 質問大会面白くて好きです！蔵内先輩と犬飼先輩、とっきーと巴くんの冷戦が気になります！！是非読みたいです。二宮さんがなんで執着してるのか凄く気になりました！！ (7月8日 12時) (レス) @page23 id: 74d3bdb7ba (このIDを非表示/違反報告)
八月蝶(プロフ) - クローバーさん» 素敵なコメントありがとうございます！鋼さん推しでしたか…！冷戦リクエストと合わせて少しずつ鋼さんストーリーも出していきますね…！今後も本作品をよろしくお願いします！ (2022年10月30日 23時) (レス) id: b222393660 (このIDを非表示/違反報告)
八月蝶(プロフ) - 澪音さん» いつもコメントありがとうございます！たくさんのリクエスト嬉しいです…！奈良坂birthdayと合わせて執筆していくので少々お待ち下さい！今後も本作品をよろしくお願いします！ (2022年10月30日 23時) (レス) id: b222393660 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - 質問大会、新鮮で面白かったです！読んでるとキュンてしましたね…個人的に気になるのが村上先輩と辻ちゃんの冷戦ですね…(村上先輩推しなんで…笑)後、出水と蔵内先輩も気になります！見れると個人的に嬉しいです！ (2022年10月30日 2時) (レス) id: ee171b977b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：八月蝶 | 作成日時：2022年8月8日 20時
