幻_○ ページ7
何だが凄い設定なんですが気にしないでください((
────
この病人服を着て、白いベッドの上で、上半身を起こした状態で、
どれだけ窓から景色を眺めたことだろう。
数ヶ月前のある日、目眩を感じ病院の診断を受けると、
俺は治療不可能な難病を申告された。
痛む。とかではなく、スっと命を奪っていくそう。
俺は難なく現状を受け入れた。
なってしまったのなら仕方ない。
今はベッドの上で管を通し、僅かな延命をされている。
館内にクラシックが流れ始める。
時計を見ると午後4時。
あぁ…今日もまた「A〜。元気?」……ほら来た。
学校帰りに、そして休日にも。毎日やって来る米津さん。
物好きだな、この人。
「…どうも。こんにちは」
勿論、この人に治療不可能な病気、なんて言ってない。
「A、毎日頑張ってるね〜」
「…ええ」
「また一緒に学校行こうね〜」
そう言って俺の頭を優しく撫でる。
「……そうですね」
俺は、「それ」が嫌いではなかった。
「A、何でカレンダーの明日に丸印がついてるの?」
「……手術、だそうです」
「そっかぁ…頑張るんだよ!」
「頑張るのは医師の方かと」
こんなしょうもない話をして午後を過ごす。
…そこそこ、楽しかったな。
────
翌日の午後3時58分。
ピーっと色んな警報音が鳴る中、
看護師や医師が色々声をかけてくる中、
俺は抗えないほどの「眠気」に襲われていた。
ここで眠りにつけば、
二度と起きられないことも分かっている。
「予定日」通りに殺しにくるなんて…神様は律儀だな。
ああ…もう何も聞こえなくなってきた。
4時までは耐えられない…かな。
……駄目だ、視界もぼやけてきた。
耳の次は目も使い物にならなくなってきたのか。
いつものクラシックが聴こえる気がする。
俺の幻聴かもしれない。
気力を振り絞ってドアの方へと視線を向ける。
そこには、
呆然と立ち竦んでいる米津さんが居たような気がした。
これも、俺の幻覚かもしれない。
…幻覚だったとしても、最期に姿を見れて良かった。
「ありがとう」
視界が真っ暗になった直後、そう口を動かした。
でもきっと、届いてないや。
プツンと何かが切れたように、
俺は_____
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朔月α(米民)(プロフ) - サロマロさん» 鋭いっすね…!!春雷もイメージしてました…凄い感性ですね(; ・`д・´) (2019年2月28日 15時) (レス) id: ab8cd8723d (このIDを非表示/違反報告)
サロマロ - 処女作!?素晴らしすぎます!!!米津さんの春雷のようだなーって思いました!! (2019年2月25日 8時) (レス) id: 44473f733a (このIDを非表示/違反報告)
朔月α(米民)(プロフ) - サロマロさん» ありがとうございます(*^^*)ほぼ処女作のようなものなので、拙い部分はあったと思いますが、そう言って頂けて嬉しいです(-人-) (2019年2月25日 6時) (レス) id: ab8cd8723d (このIDを非表示/違反報告)
サロマロ - すべてのシリーズを見ました。感動しました。最高で言葉が出ませんでした。ほんとに、最高な時間でした。尊死するかと思いました。この作品を作っていただきありがとうございました。ほんとに、100万円をお渡しできるものならしたいです。最高でした (2019年2月24日 22時) (レス) id: 44473f733a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔月α・美怜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/082301153/
作成日時:2018年7月3日 19時