file.219 ページ32
｢ほら、あれだよ。
あの…前植物描いただろ。あれ｣
……あー、言われてみればあったような。
｢お前等2人、よく描けましたってことで｣
｢……へー…｣
正直、｢へー｣ぐらいしか言葉が無い。
｢…………どうも｣
米津さんも、それぐらいしか言うことが無いようだ。
……クラスメイト対応テンションになってるし。
すると、教室全体から拍手が湧き上がってきた。
相当な羞恥心に襲われながら、席へと戻った。
────────
｢A、何処行きたいところとか無いの?｣
｢……無いですし、
まず何処にも行きたくないです｣
いつも通り、静かに過ごせない休み時間だ。
教室は暖房がかかっているが、
更に温もる為、俺は芋虫のように丸まっている。
｢あ、夜景でも見に行く?
きっと綺麗だよ。Aには劣ると思うけど｣
俺の意見を全く聞かず、話を進められる。
｢…………言ってて恥ずかしくないんですか｣
｢全然。だって本心だもん｣
｢…………………｣
頭大丈夫だろうか。
｢そうだ、花火見に行ったところに行こう!｣
花火……?
あぁ、あの丘か。
｢……勝手にしてください｣
｢やった!
迎えに行くから、ちゃんと家に居てよ?｣
｢はいはい…｣
何だかんだ、断れないAさんだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 89人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朔月α x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/082301153/
作成日時：2018年9月11日 20時
