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｢手｣
そう言って、
手袋をつけてない方の手を俺に差し出す。
｢…は?｣
｢だから手、繋ご?｣
｢………何故｣
｢だって寒いじゃん｣
｢…………………｣
もう意味不明なので、手袋を片方着用したまま無視して歩く。
｢ちょ…ちょっと待ってよ｣
強引に手袋をつけてない方の手と手を繋がれる。
こうなると、
力負けする俺は中々解くことが出来ない。
｢ね、暖かいでしょ?｣
すぐ隣でニコリと笑う米津さん。
｢………別に…｣
何だか、無性に恥ずかしかった。
────────
学校近くまで来た時、
｢お、仲良しアピールで登校かよー｣
この状態で1番会いたくない人の声がした。
｢………先生…｣
｢先生だ、おはよー｣
｢なんだなんだ、友達まで昇格したのか?｣
｢違います。この人が勝手にしてくるだけです｣
もう良いだろうと、バッと手を振りほどく。
それでも米津さんは特に何も言わず、
｢A。これ、ありがとう｣
俺に手袋を手渡した。
………今思ったけど、手入ったんだな。
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作者名：朔月α x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/082301153/
作成日時：2018年9月11日 20時
