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file.203 ページ16
｢…にしても……今日も作業出来ないのか…
まあ今日大人しくしといて、明日帰ろう…｣
それが一番、賢明だろう。
ふと前髪の隙間の目に入る、
鏡に映った自分の顔。
｢……………………………｣
何も感情が無くて、つまらない顔。
｢(どうやったら…Aで笑えるのかな)｣
鏡に映る自分とにらめっこするように、じーっと見る。
｢A、入るよ｣
急にコンコンとノック｢されながら｣ドアが開く。
バッとドアの方を向く。
｢……ノックと言葉が逆です…何か用ですか｣
てか着衣中だったらどうするつもりだったんだ。
そんな考えを持たず、米津さんは不思議そうに俺を見る。
｢何してたの?鏡じっと見て｣
｢……つまんない顔してんなって思って｣
あっさり本音を零す。
別に……言うほどのことでもないのに。
｢そう?AはAらしくて、良いと思うけどな。
黒は黒で、色々表情があって好きだよ。
……でも、｣
｢……でも?｣
俺は首を傾げる。
｢やっぱり…｢A｣が笑った顔……見てみたいな｣
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作者名：朔月α x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/082301153/
作成日時：2018年9月11日 20時
