Secret. Part2

file.35 ページ1

｢お二人共…準備はよろしいですか…?｣

｢｢大丈夫っす｣｣


お互い、目一杯の愛想笑いで答える。


｢いやー、本当に楽しみだったんで。

テンション上がりまくりですよ!!｣


黒のテンションで話す俺。


…と、いうことは。


｢………そうですね。俺もです｣


だよな、この人もそうなるよな。

てかテンション上がってないでしょ。


成程…。

ハチさんになると、一人称が俺になるのか。


中々面白い。

俺も黒を徹底しなくては。


｢本っ当に、会えて嬉しいです〜!!｣


ニコォォォ…っと笑いかける俺。


｢……ありがとうございます｣


クールに返す、米……じゃなかったハチさん。


何だこれは。

教室でのテンションが完全に逆転している。


｢では、色々質問していきたいわけですけれども｣


｢どぞどぞ〜｣


頑張って盛り上げようとする俺…

じゃなくて、黒。


｢お互いがお互いの熱烈なファンと言うことで、

どういう所に惹きつけられましたか?｣


………拷問だな、本当に。

明日どうやって学校行けばいいんですか。

……気にするな、目の前の人は米津さんじゃない。


ハチさんだ。米津さんじゃない。


……よし。



｢そうですね…。

ハチさんが活動し始めた頃からずっと聴いてて。


純粋に、すげぇこの人、って。


憧れでした……いや、今でも憧れですけどね｣


｢そうですか…ハチさんは?｣


インタビュアーさんが問いかける。


｢俺は…黒のパンダヒーローを見て…、

ずるずると沼に嵌っていった感じですね｣


｢沼なんてそんな〜。

まぁ俺もそうですけどね。

沼にずるずるー…って｣


あははっ、と笑う俺。


｢……はい…まぁ……そんな感じで｣


…もうちょいテンション上げてくださいよ。

ハチさん。

file.36→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す