386話 ページ39
研磨side
烏野との試合が終わった俺は体の力が一気に抜けた感覚を覚えた
あんなに激しい試合をしたのははじめてかもしれない
もうやりたくない
あ｢お腹すいたからご飯買いに行ってくるね｣
突然Aがそう言った
さっき自販行くって言ってたAが全然帰ってこなかったのを思い出した俺はAに｢俺も行く｣と答えた
Aは1人で行けるって言ったけど俺も黒も不安だって顔に出てたらしい。そしたら黒が俺の代わりに言ってくれた
鉄｢だめです。さっき帰ってくんの遅かったから研磨くんと一緒に行ってきなさい｣
そう言うとAは観念したかのように俺と一緒に売店まで行った
Aの前を歩いていたけど、手を繋がなくて大丈夫かなとか、はぐれないかなとか、迷子になりそうだけど大丈夫だよねとか、ちゃんと着いてきてるよねとか俺もいろいろ考えてたら最悪な状況になった…
研｢…嘘でしょ｣
気づいたらAとはぐれていた…
研｢…はぁ｣
溜息をつきながらも俺は必死にAを探した
俺が着いた売店は2つ目の売店で、Aがいる売店は多分…
ひとつ目の方だ
あっちの売店は人が混みやすいから俺は敢えて少しだけ遠い売店に行った
それがいけなかったのかもしれない
俺が前しか見てなかったから、考え事しながら歩いてたから
歩くの早すぎたかもしれない
俺は疲れてるはずなのに違う売店へ走った
男｢ねぇね〜、俺たちと一緒に行かない？｣
俺が着いた時には既に遅かった
知らない男がAに声をかけていた
しかも手を引っ張って歩き出そうとしていたから俺はそいつに言った
研｢はぁ…あの、うちのマネージャー困ってるんで｣
めんどくさいなと思いながらも俺はそいつの手からAを引き離し抱きしめた
全然離れようとしないから俺は滅多にキレないけどそいつを睨みながら｢この子は俺のだから｣と言ってしまった
え
俺今なんて言ったの…
"この子は俺のだから"
やば
待って
はっず…
まだ居たその男に｢早く消えて｣と言うとそそくさと帰った
俺はずっとAの事を抱きしめたままだった。
そんなAに危機感ないとか、いなくならないでとか話してるとAが笑っていた
俺はそんな面白いこと言ってないのに嬉しそうに笑うAに俺は｢は？なんで笑ってんの｣と少しムスッとした
そしたらAが｢なんか…嬉しいなって｣言った
意味がわからず俺は｢は？｣ともう一度言った
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作者名：もも | 作成日時：2024年3月3日 19時
