俺に落ちるまで 8【及川徹】 (ページ34)

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381話ページ34

夜｢つーか半分は木兎とおめーのせいだろ｣

月｢どうもおかげさまです｣

黒｢こちらこそです｣

ネットを挟んでの彼らは

互いが師と師

その風景はきっと彼らが1番実感しているであろう

"まるで練習試合してるみてぇだな"

友達でもあり、ライバルでもある

そして、こいつらが嫌いだ

けど、このセットは"俺たちが勝つ"

研磨side

もう無理

動きたくない

"研磨は、バレーすき？"

"別に"

ねぇ翔陽

俺はバレーよりゲームが好きだけど

会う度に新しくなる翔陽が少しだけ

羨ましいなって思った時がある

どんな武器を使っても翔陽は弾き飛ばす

どんどん上を目指すから

進化し続けるから

山『なぁなんかお前らって不思議だよな…うーん、ライバルなのか？』

研『え、普通に友達だけど』

何度止めても翔陽はぶち破って壊してくる

翔陽とバレーしてるとつくづく思うよ

バレーってこんなに面白かったっけって

研｢っ、｣

黒｢っ！｣

"俺は運が良かっただけだよ"

"バレーに運なんて関係ない！なぁもっと俺にトス上げてくれよ研磨！！"

"えー"

俺が今きっとこんなに必死になれるのは、翔陽だからだよ

だから翔陽にはずっと面白いままでいてほしい

あ｢っ、研磨くん！頑張れ！繋げ！！！｣

俺がバテてるのももう動きたくないのもAは分かってる

でも今だけAの泣きそうな顔と声が鮮明に聞こえた

そんな顔しないでよA

大丈夫だから

みんなの為にも音駒の"脳"として動け、俺

私side

研磨くんがかなり3セット目でも動いてるのがわかった

烏野のシンクロ攻撃も2人の速攻にも音駒は対応できてきている

けど、両校疲れてるのは一緒だし限界もとっくに超えている

3セット目終盤で、烏野のフェイントに気づいた研磨くんが鉄くん達がブロックで止めてる背後に回ろうとした時、日向くんのフェイントと見せかけたのに気づいたのが1歩遅く、日向くんのロングプッシュが決まってしまった

研｢たーのしー｣

倒れた研磨くんに歩み寄ると今まで聞いたことがない事を言っていたので私は立ち止まった

え

今研磨くん楽しいって言ったの？

ほん…とに？

黒｢おい研磨！どっかやったか？！｣

それを聞いてた鉄くんが目を丸くしていた

日｢ン"アアアアアッシ！！！｣

何故か日向くんがめちゃくちゃ喜んでいた

多分きっと研磨くんに楽しいって思ってもらいたかったんじゃないかなって。