俺に落ちるまで 8【及川徹】 (ページ27)

今日:29 hit、昨日:48 hit、合計:8,867 hit

374話ページ27

月｢僕、格上の誰かに勝とうと思ったことなんかないです。黒尾さんに勝とうなんて！まさか！…僕1人で勝とうなんて1ミリも思ってません｣

黒｢けど彼は1人でも勝つ気じゃないかい｣

月｢…そうですね。あいつは僕の先を行く男なんで｣

月島くんがそう言った彼は稲荷崎での試合で大活躍したピンチサーバーの山口くんだった。
ジャンフロを操るのがとても器用な子

山口くんがサービスエースをとったものの、1回で日向くんへと交代されてしまったが、月島くんのブロックをするその手が先程よりも大きくなり手が前に伸びていた

夜｢おめーのせいだぞ！｣

黒｢いた！何言ってんの！ツッキーの実力でしょうがっ｣

月島くんの事を煽ったせいなのかどんどん成長していく月島くんに驚きを隠せない

あ｢…｣

日向くんと影山くんの速攻が決まり、烏野の得点も追加されていく
影山くんというセッターが皆を大きくさせている
ネットすれすれのトス、私はあんな器用なことできない

夜｢影山つえーな！｣

私も夜久さんと同意見です。
影山くんの凄さはこの春高で圧倒的に日向くんとの連携がしっかり取れている事だった。そしてそのブレなさ。どんなに乱されても素早い判断とチーム皆が常に影山くんに"俺によこせ"という強い意思を影山くんを安定させているのがすごい。

正確なトス、正確な位置、正確な高さ…こんなにも兼ね備えている影山くんを見てると恐ろしさを感じてしまう

影｢ネット際じゃなくてもアタックライン近辺に上げてもらえば十分です｣

その言葉を聞いた私は｢かっこいい｣と声が漏れてしまい菅原さんが｢たべだべ？うちのセッターはかっこいいだろ？｣と笑っていた

菅原さんのその爽やかスマイルに癒されます。

影山くんの言ったことが山本くんに聞こえたらしく、｢聞いたか研磨、かっけーこと言いよるわ｣と言っていた

研｢聞いた…よそはよそうちはうちです。｣

黒｢オカンか。｣

研｢なんでも張り合えばいいってもんじゃないの｣

長く激しい1セット目を何とか音駒が奪った。
研磨くんがまさかあんなに動けるなんて思わなかったから嬉しかった。

あ｢お疲れ様です！ドリンクとタオルです｣

黒｢お〜、さんきゅーなー｣

あ｢研磨くん、今日試合中笑ってる時多かったよね｣

黒｢研磨が？｣

あ｢うん｣

｢前より楽しそうだよ｣って鉄くんに話しながらベンチに座ってドリンクを飲む研磨くんを見た