俺に落ちるまで 8【及川徹】 (ページ23)

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370話ページ23

黒｢あらあらまぁフライング上手な烏野さんじゃないですか｣

横目で黒をちらっと見ると烏野の主将の人に挨拶をしていた

あ｢私はこの試合間近でみたいから、下の階で見てるね｣

研｢…うん｣

あ｢頑張ってね｣

Aは俺にとって大切な友達
けどAは無理する時があるからそんなAに俺は心配になる時がある

Aが中学であった事の話を聞いた時、なんでAがそんな目に遭わなきゃいけないのって思ったし、それ以来こっちに来た時は前より笑わなくなったし、泣くことが多かった

俺がAと同じ学校だったらってずっと思ってた

俺が傍にいたらそんな辛い目に合わせなかった

"研磨くん！"

いつも笑顔で俺を呼ぶAが日に日に元気がなくなって泣いてるAを見る日が多くなってった

俺は自分の感情を出すのが苦手だからAの元気がない時は傍に居てあげたいって思ったし、また笑った顔が見たいって思った

だけど、高校生になったAと久しぶりに会ったら笑ってたAをみて少しだけ安心した

春高の返信がなかったから来ないんじゃないかと思ってた

俺はAの気持ちを全部理解できるわけじゃないけど、でもAにとって俺といる時は安心できる場所だって思ってもらいたい

俺は虎みたいに根性とかないけど…必死になれる時が一瞬でもあればいい

そしたらきっと惜しむような瞬間がくるかもしれないから

"可能か、不可能かの分析だけ"

可か、不可か

研｢…わかんない｣

〜春高3日目烏野高校対音駒高校〜

あ｢…｣

こうやって、烏野と音駒が試合する所を見るのを私は初めてだった

研磨くんに会うと大体、日向くんが理解不能すぎるから疲れるって話は聞いてたけど、日向くん関係になるとわくわく顔をして話すそんな研磨くんが私は大好きだ

さっき研磨くんが言った"わからない"には多分研磨くんの素直な気持ちなんだろうなって思った

黒｢おっし、いつもの！｣

研｢黒、ちょっと待って｣

円陣を組もうとしていた時研磨くんが私の方へと走ってきた

研｢きて｣

｢ちょ、え？！研磨くん？！｣と手を引かれ訳が分からないという顔で鉄くん達の輪の中へと入れられた

あ｢え、え？｣

研｢Aが羨ましがってたから｣

羨まし…？え？

黒｢茜ちゃんから聞いたんだけど、お嬢さんも俺たちと血液になりたいって聞いたのよ｣